1月7日から開催されたCES(Consumer Electronics Show)に行ってみた。数が多くてすべて紹介することはできないが、クルマ好きの私が印象に残った展示をいくつか紹介してみたい。
CESとは?
CESは、毎年1月の上旬に、ネバダ州ラスベガスで開催される「世界最大級の家電見本市」。先進家電はもちろんだが、それだけではなく、企業が技術の方向性を発表する場にもなっている。自動車メーカーでは、TOYOTAがWoven City構想をカンファレンスで語ったことが取り上げられていた(展示ブースは無し)。NVIDIAなど、Tech企業が自社の戦略を対外発表する場として活用している。
余談だが、昨年のCESでは、帰りのフライトは大雪の影響で着陸が遅れまくったのに加えて、預けていた荷物を朝3時まで空港で待った挙げ句、職員から「今日はもう無理だから明日の10時に取りに来て」と言われたトラウマがある、、、この時期シカゴ方面への飛行機移動は結構リスクがあったが、今年は無事帰宅できた。
日系自動車メーカーではHondaやSony Honda Mobility、あとはSuzukiがブースを構えていた。
Honda
Hondaは昨年のZeroコンセプトのブラッシュアップ。セダンとSUVの2車種を公開。昨年のコンセプトをキープしつつ、薄く、軽く、ワイドな電気自動車コンセプトの展示。
こちらはZero Saloon
リアライトなかなかえげつない感じ。
んで、こっちはZero SUV。
どちらも、外観だけみると「ふーん、今っぽいね」な感じだが、発表内容としては車載OSにASIMO-OS(!)というOSを搭載するようで、運転支援システムやエンタメのプラットフォームに適用するとのこと。ADAS系とエンタメ系を一つのプラットフォームで実現する、的なコンセプトだと思われるが、詳細はよくわからなかった。公式でもアナウンスされているのでご興味があれば↓を。
Suzuki
非常にわかりやすい展示だったと思う。軽トラがアメリカ人にとってCoolなのはわかる気がする。アメリカではどデカいピックアップトラックに荷物を積んでDIY、仕事、キャンプなどを楽しむ光景をよく見かけるが、この積めるしコンパクトだし燃費もいい、みたいな「日本には昔からあるけどアメリカだと新しい価値観」的なコンセプトは、私を含む一般人にはわかりやすかったと思う。ちなみに、USのピックアップトラックユーザーの多くはボートやトレーラーホームなどを牽引する事があるが、軽自動車は当然そんな使い方はできない。だが、たくさん荷物を詰めて気軽に出かけられるという価値は色々な可能性を提示できると感じた。
キーワードとして、「小・少・軽・短・美」という漢字とそれぞれの意味が紹介されていた。なんか中国っぽい響きがあるけど、日本らしいCoolさがあって、小難しいコンセプトじゃなく、個人的にはSuzukiブースが一番明確でわかりやすかった。CESはビジネスコンセプトの対外発表、関係者以外ブース立入禁止です、なんてお高く止まった会社もあるが、Suzukiのこういった展示は好感度高い。
Sony Honda Mobility
SonyとHondaが共同開発しているAFEELAの展示。前回は細部がまだコンセプトチックな部分が残っていたが、北米で今年中の販売開始を予定しているだけあって、灯体類含めてもう量産間近でっせ、というフォルム。話題にはなっているものの、どんな新価値を提供出来るかは未知。アメリカでウケるといいね。
Indy Autonomous Challenge
確か昨年にも展示があったと思ったが、技術的に一番興味を惹かれたのはこれ。
自動運転のIndy Car。750kgの車体に488馬力のエンジン突っ込んで、コックピットにはLiDAR、RADAR、カメラ、GNSSを備えている。
もちろん、人間が介在するからこそのドラマがあるのがレースの醍醐味。これに対してどうやって集客するのかのエンタメ要素が加われば、将来的に興行として成立するのではないか。
数年前から行われていて、大学が参加しているということだったが、F1が自動車の技術開発の実験場だったことを踏襲するという側面を考えると、今後の自動運転開発の技術開発に各メーカーが参加して盛り上げていけば楽しくなりそう。
まとめ
世界最大の家電見本市、CES。昨年に引き続き今年も行ってみた。自動車メーカーやサプライヤの対外発表の場としても利用されている。自動車好きの私が個人的に興味を持ったものをいくつか紹介した。
日本の自動車メーカーが北米での存在感を示すための展示も多いが、本記事では紹介しなかったものの、中国・韓国勢がその存在感を示すためにとても力を入れているのが印象的だった。日本は今まで培ってきた独自のコンセプトをうまくアレンジして、北米市場で受け入れられる形で昇華すればビジネスチャンスがあると思う。日本企業の活躍を今後も期待したい。
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