カーオーディオをガレージのオーディオとして使えるようにしてみた

作業をしながら、あるいはクルマを眺めながら音楽を聴きたかったので、ガレージの100V電源(家庭用コンセント)から格安カーオーディオが動作できるように改修。今回は、Amazonで売っている格安のUSB/Bluetoothオーディオ、Eaglerich 自動車ラジオ Bluetooth 車音響 カーオーディオ ステレオ プレーヤー リモコン付き 1 Din 12Vをガレージで使用できるようにしてみた。家庭用のホームシアターセットに付属の一般的なスピーカーでガレージで音楽を聴ける構成とした。不要なスピーカーや使わなくなったカーオーディオの流用を考えている方の参考となれば嬉しい。

目次

必要なもの

音楽を聴くための最小構成は以下の図の通り。カーオーディオの場合は、車両でのDC12V環境(実際は14.5V程度)の使用を前提としているため、家庭用のコンセントからのAC100Vを12Vに変換してやる必要がある。

電源については記事の中盤以降で。まずはスピーカーの設置とカーオーディオの選定から。

スピーカー

ホームシアターセットのスピーカーを流用

ガレージを建てた時に音楽が聞きたくてミニコンポセットを探していた時に、タイミング良く友人が引っ越すとのことで、随分古い不要になったホームシアターセット(pioneer xv-dv77)をもらうことができた。しばらくそれを使っていたが落雷によってアンプとウーハーが故障。スピーカーは生きていたため、このスピーカーを流用することにした。スピーカーの最大定格は40W。インピーダンスは8オーム。

スピーカーのインピーダンス(抵抗)について

スピーカーのインピーダンスが8オームとあるが、インピーダンスとはスピーカー内部の抵抗。小さいほど電流がよく流れる。一般的な車用のスピーカーのインピーダンスは4オームとなっている事が多い。車用のスピーカーに合わせて、多くのカーオーディオは4オームのインピーダンスに対応した仕様となっている。

例えば、スピーカーのインピーダンスが2オームの場合、カーオーディオから電流が流れすぎて壊れてしまう。一方で、スピーカーのインピーダンスが4オーム以上であれば、多くのカーオーディオに接続出来る(インピーダンスが多いほど、抵抗が大きいので音が小さくなるが、通常の使用ではあまり気にする必要はない)。

近所のハードオフで左右で2,000円程度で売っているスピーカーを使えば、車用のスピーカーを加工するより安上がりで出来るはずだ。

スピーカーの設置

作業の邪魔にならないように、スピーカーは天井の梁に固定。スピーカーの裏側にネジ止めが出来るようになっていたのでそれをそのまま使用した。ネジが無い場合、ビスなどでしっかり固定しよう。

右スピーカーはガレージの梁に汎用金具を使って固定。

左側のスピーカーは、柱のネジ穴があったので、これも汎用金具でステーを作り固定した。

ホームセンターの金具コーナーに売っている適当なステーを組み合わせて固定。

格安カーオーディオ

最近はクルマでもUSBやBluetoothオーディオが主流だし、CD機能などは不要。USB/Bluetoothオーディオであれば場所を取らない。そこで、Amazonの格安カーオーディオを探していたところ、以下の商品を発見。

安っ…とりあえずこれで試してみるか、ということで購入してみた。

奥行きの薄さと筐体のペラペラっぷりに微笑するも、カーオーディオに挿さるコネクタがついている。電源側、スピーカー側の配線は自作してやる必要がある。

電源側の配線を作成

電源に繋がる配線。+Bは黄色、ACCは赤、GNDは黒。これを12V電源ユニットに接続するため、3極のオスコネクタを作成。

コネクタの作り方については、こちらの記事を参照

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ACC信号は、オーディオユニットのON/OFFに使用するので余っていたスイッチを接続した。青色の線はラジオアンテナのコントロール用信号とあったので結線不要。スイッチは以下のような電子工作用のものが小型で便利。

スピーカー側の配線を作成

こちらは、フロント右、フロント左、リア右、リア左でそれぞれギボシで作成した。ギボシの結線についてはこちらの記事を参照

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スピーカーに接続する配線は余った家庭用オーディオ配線を使ったが、重いし長い。普通に接続するだけであれば、こちらの電線で接続するのが安くて軽い。

12V電源ユニットの準備

次に、12V電源ユニットを配線する。電源ユニットを接続して動作を確認したり、必要な電流量を調査する。カーオーディオとスピーカーがどれほどの電流を消費するか不明なので(とは言っても、10Aのヒューズが挿さっているのでそれが上限だろう)、容量が大きめの電源でテストする。電源ユニットとして12V20Aのものを購入し、12Vが来ていることを確認。

オーディオ側で作成済みのオスコネクタの3ピンに合うようにメスコネクタの3ピンを作成。これで電源ユニット側の配線が完了。

電源ユニットについてはこちらの記事を参照

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電源ON

電源ユニットにカーオーディオを接続すると、ちゃんと電源が入った!

トラブル発生

電源は入ったものの、私の購入した個体は右側のフロントスピーカー(灰色配線)から音が出なかった。おそらくどこかが断線しているような感じ。中を開けてみたらフレキ配線が折れているのが気になるが…原因はわからなかった。

右リア(紫色配線)に接続したところ、ちゃんと音がなったので、左右ともリアスピーカーの配線に接続した。これで音がちゃんと出ることを確認できた。

Bluetoothも動作確認して問題なし。

電流を計測

(少なくとも運用上は)正常に動作することが確認できたので、この状態で消費電流を測定する。電流計を機器と直列に(小学校の理科で習ったな)つなぐ。

通常聴くボリュームで音楽を再生した際に0.27A。

スピーカーの音がウルサイなと思う程度まで音量を上げた時で0.43A程度の電流が流れていることがわかった。もちろん、聞く音楽やエフェクタによって誤差はあるだろうが、最大音量まで上げることはないと思うほどウルサイので、私がインピーダンス8オームのスピーカーと組み合わせて使う際には、定格付近で使って発熱するより、12V5Aも流せれば余裕だし安心だろう。

運用のための12V電源ユニットの作成

テスト用12V電源ユニットだと、筐体に穴が空いていて基盤がむき出し。埃などの影響があるため、周りを囲うなどの対策が必要だろう。今回の計測で、私の環境ではそれほど電流を食わない事がわかったので、ハードオフでノートPCなどで使われる電源アダプタで十分。550円のところ、ジャンク品セール中の特別価格で300円。

この加工についても、こちらの記事参照

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AC電源アダプタに、カーオーディオの電源を供給する3極のメスコネクタの配線をつなげる。

カーオーディオに接続する前に、必ず極性や電圧の確認を行う。確認したら、カーオーディオに接続。

ちゃんと動作している。ここまでで、音が鳴ることが確認でき、電源の目処も立った。残りはステーの作成。

ガレージオーディオ完成

限られたガレージの作業スペース。有効に使いたいので、棚に吊り下げて使用することが出来るようにステーを作成。

これらを組み合わせて、棚板にドリルで穴を開けて取付。

作業机の上の棚からぶら下げる感じで配線。カーオーディオ本体の他に、アルミ板を曲げて12V電源アダプタを格納するスペースを作成。ここに12V電源アダプタ含めて配線が入っているので机や棚の場所を取らずにコンパクトに作成できた。

使用した部品

カーオーディオ

激安のカーオーディオ。リモコンは付いているが動作しないのはデフォらしい。製品ばらつきが凄まじく、個体によって当たり外れがあるようだ。今回は私が購入したものはフロント右の配線をスピーカーに繋いでも音出ず。不具合あったもののリカバリ可能だった。

テスト用電源

20Aまで流せる電源。車載電子機器のテスト用として購入しておくととても便利。

テスター

いきなり電子機器に電源をつなぐと壊れるリスクが有る。安全のために必ず用意しよう。安いものでOK。

まとめ

オーディオの最小構成は、アンプ内蔵のヘッドユニットと、スピーカー2つ。音楽が聴ければ良いレベルで、むしろ軽く、簡単に設置できて、作業スペースの邪魔にならないことを優先とした。使用している機能はUSBからの音楽再生、もしくはBluetooth接続でスマホから音楽の再生。必要にして十分、省スペースのオーディオで気に入っている。

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