HA36S アルトワークスのCANデータ解析

アルトワークスのOBDコネクタには、診断で使用する通信の他に、車両のCAN情報が流れている。ただし、CAN情報を理解可能な情報としてArduinoなどのマイコンで取得するためには、受信したCAN情報が何を表しているのかを知っておく必要がある。この記事では、データ解析を行った結果判明したCAN情報の一覧を公開する。

ちなみに、Hondaのみならず、ToyotaやNissanなどのUS市場である程度販売台数があるメーカーに関しては、このプロジェクトが参考になる。dbcファイル形式で公開されているため、dbcフォーマットの理解が必要だ。dbcファイルやHondaのCAN情報については、こちらの記事で併せて解説している。

一方、Suzukiに関しては情報は乏しい。アルトワークスに関しては実走したり、その他断片的な情報を参考にして自分で解析を実施した。

目次

HA36S(MT)に流れている解析済みのCAN情報一覧

その他の情報については、いくつか情報が特定できたメッセージがあったので掲載しておく。なお、以下の情報は私が個人的に解析したものであるので、情報の確からしさ等については保証できない。

0x119 Electric Power Steering

ByteBit意味Factorオフセット備考
2~30~7ステアリング角[deg]0.132767
4~50~7ステアリング角[deg]0.132767

0x1B8 ESC

ByteBit意味Factorオフセット備考
0~10~7フロント右車輪速[km/h]0.0250
2~30~7フロント左車輪速[km/h]0.0250
4~50~7リア右車輪速[km/h]0.0250
6~70~7リア左車輪速[km/h]0.0250

0x124 Engine(1)

ByteBit意味Factorオフセット備考
1~20~7エンジン回転数[rpm]0.250
64クラッチON/OFF10

0x13F Engine(2)

ByteBit意味Factorオフセット備考
1~20~7エンジン回転数[rpm]0.250
6~70~7要求トルク(多分…)[Nm]0.010

ご協力のお願い

アルトワークスのCANデータを取得しているという方がいらっしゃいましたら情報をください。コメントでも、問い合わせフォームからでもOKです。こんなところでまとめている人がいます、という情報でも助かります。

よろしくお願いします。

2025/01/05追記
ウーデン・イルパス様より、ZC32Sでも同様のデータを取得できるとの情報を痛だ抱きました。また、accel / brake pedal pressureを解析しているサイトもご紹介いただきました。
https://github.com/P1kachu/talking-with-cars/blob/master/notes/suzuki-swift-IV.txt
ありがとうございます。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは、突然のコメント失礼します。

    スイスポ(ZC32S)に乗っていて、主様と同じくCANデータを利用しようとしているものです。
    この記事のおかげで、車速などの取得・表示に成功しました!貴重な情報を、本当にありがとうございます!
    アルトワークスのCAN解析とのことでしたが、ZC32Sでも同様だったので、ある程度スズキで共通のフォーマットを使用しているのではないかと思われます。

    この記事とは別に、スズキ車(スイスポ)のCAN解析をしている情報を見つけましたので、何かのお役に立てばと思い共有します。
    まだちゃんと全部は確認できていないですが、少なくともaccel / brake pedal pressureはそれっぽい値になっていました。
    https://github.com/P1kachu/talking-with-cars/blob/master/notes/suzuki-swift-IV.txt

    • ウーデン・イルパス様
      コメントの投稿ありがとうございます!リンク先を拝見いたしましたところ、ブレーキ圧なども解析されているようです。サーキット走行等では、ABS作動ログやブレーキ操作の解析ができると、自分の運転を振り返る際に役に立ちますね。また、Body系(ライトコントロールやハザード、ドア)などもあり、例えば右ウィンカー→左ウィンカー→右ウィンカーでログデータ取得開始、なんてコマンドにも使えそうです。色々妄想は膨らみます。
      現在はSuzukiのクルマは手放してしまいましたが、このページが誰かの役に立てれば幸いです。貴重な情報ありがとうございました。

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