毎年この時期になると、雪道をドライブする。雪道は路面μが低く、ブレーキやアクセル操作が荒いと思うように走行することができない。また、制限速度以下の走行でも操作が荒いと簡単にオーバーステアやアンダーステアとなってしまう。車を安全に走らせることを楽しむと、自然とサーキットでのドライビングテクニックの向上につながるため、私は毎年この時期に、雪が積もった冬山の路面にドライブに出かける。この記事では、雪道走行における注意事項や、安全に楽しめる方法を記載する。
雪道ドライブの準備
初めての場合はできれば複数台で
雪道走行は、初めての場合は複数で走行するのが良いだろう。最悪、事故などで身動きができなくなってしまっても、仲間がいればその車両で帰宅することができるから。それが4WDならなお心強い。昔、車高短のロードスターで雪山をドライブした時に大雪が降ってきて、路面の積雪が急に多くなったため動けなくなったことがある。その時は、一緒にいた先輩の4WDに牽引してもらって近くの道の駅まで避難できた。特にFRはスタックのリスクが高い。
交通量の少ない時間帯に、携帯電話の電波の届く場所で
また、雪道に慣れていないのであれば、ドライビングミスをした際の衝突リスク回避のため、交通量の少ない時間帯に雪道に慣れる練習をしてみるとよいだろう。このとき、必ず携帯電話の電波が届くことを確認しよう。NTTドコモならこちらから確認できる。
車の準備
まずはスタッドレスが絶対必要。スタッドレスへの交換は以下の記事を参照。
あと、忘れがちなのがウィンドーウオッシャー液。気温が低いと、ウォッシャー液を噴出した途端に凍ってしまい、視界不良となることも。夏場は薄めて使っているウォッシャー液も、原液の濃度で使用する。
これに加えて、極端に車高が低い車は、車高を上げておく必要がある。
雪道ドライブに必要な装備
私の場合、以下の装備は必ず持っていくようにしている。
長靴
長靴は、積雪が数センチになった際に必須になる。運転用のスニーカーと供用だと、スニーカーが雪でびしょ濡れになってしまう。スノーシューズなどあればベスト。
牽引ロープ
通りかかる車両に助けてもらったり、スタックした車両を助けるための牽引ロープはマストアイテムだろう(ちなみに、私が牽引して救助した台数は2桁に達している)。使っているのは安価なもの↓
あとは、意図しないスタックに備えて自力で脱出するためのスコップや毛布(スタックした駆動輪の下に敷く)があると良い。
スノーブラシ
フロントガラスに付いた雪や、屋根に積もってしまった雪を払うのに便利。あったら便利レベル。
この他、携帯電話の充電器や、ガソリンを満タンにし、防寒着を必ず持っていくこと。とても寒い。
雪道走行のコツ
どれくらいブレーキを踏めるのかを確かめながら走行するとよいだろう。周囲に車両が居ない直線(高速道路はもちろんダメ)で、30km/h程度からABSが作動するまでブレーキしてみる。これが、30km/hで走行している車が出せる限界の減速Gだ。ただ、アイスバーンやミラーバーンなど極端に路面μが低い場面が突如として出現することがあるので、注意が必要。
意識した上で慣れてくると、アクセルの踏み具合や、ブレーキの踏み具合でおおよその限界ブレーキ踏力を感じ取れるようになると思う。サーキットで限界走行しているときの感覚に近いので練習になる。
前に荷重が乗っている下り坂では後輪が不安定になるので、軽くアクセルで後輪に荷重を持っていきつつ、ステアリングで修正、といった「操作と荷重」を意識した運転の勉強になるし、何より「楽しい」。ただ、いきなり無茶はよろしくない。少しずつ楽しみながら、慣れていくのが良いだろう。
片付け
自宅に帰ってきたら、路面に撒かれた凍結防止剤を落とす必要がある。塩化カルシウムなので、錆の原因となる。↓の画像は、凍結防止剤散布車が通ったばかりの高速道路を走行した後、雪道を楽しくドライブした後の車。ボディ表面にこれだけ凍結防止剤が巻き上げられているので、下回りもしっかり洗ってやる必要がある。
下回りは、洗浄がしにくいのだが、錆びるとメンテナンスしにくくなるので念入りに洗っている。
ちょっと値は張るが、高圧洗浄機があるととても便利である。通常の水洗いができない箇所に付いた汚れも落とすことができる。走行後は必ず洗車しているが、このおかげで苦にならないし、下回りも綺麗に保てている。
まとめ
雪道のドライブはドライビングテクニックの向上でも有効だと思う。リスク管理をきちんと行うことにより、安全に、楽しくドライブすることができる。
コメント