アルトワークス(HA36S)のクーラント(冷却水)交換方法

最近の冷却水は、ロングライフ化されており、交換メンテナンスのスパンは長い。サービスマニュアルによると、冷却水の初回交換時期は、 交換時期は新車時から7年経過もしくは走行距離15万kmのどちらか短い方 (!)。一度交換したら、以降4年もしくは7万5千km毎に交換するように定められている。我が家のアルトワークスは2015年式で、すでに6年が経過しており、そろそろ交換時期を迎えるので、今回は交換を実施した。

目次

冷却水の交換時期

冒頭に述べたとおり、交換時期は新車時から7年経過もしくは走行距離15万kmのどちらか短い方、とある。一度交換したら、以降は4年もしくは走行距離7万5千kmのどちらか短い方での交換が定められている。次回交換の時にはウォーターポンプやラジエータキャップ、ホースの寿命が来るなと思いつつ、今回はクーラントのみを交換。

スズキ純正の冷却水を2つ用意

ロングライフ化しているのはメーカー純正の冷却水。他の冷却水を注ぎ足したら、当然その範囲外となると思われる。交換量は、

NA-VVT(CVT仕様)
エンジン、ラジエータ及びヒーターコア2.8L、リザーバタンク0.36L、合計3.2L

NA、NA-VVT(5MTもしくはAGS仕様)
エンジン、ラジエータ及びヒーターコア2.6L、リザーバタンク0.36L、合計3L

ターボ
エンジン、ラジエータ及びヒーターコア2.6L、リザーバタンク0.36L、合計3L

とある。我が家のアルトはターボなので、純正の冷却水であるスズキスーパーロングライフクーラント(青色)を4L手配した。詰替え用のパッケージのような外装になっている。

アルトワークス(HA36S)のクーラント(冷却水)の交換

ジャッキアップ

マストではないと思うが、ジャッキアップして作業したほうが作業性が良いので素直にジャッキアップして交換することにした。ジャッキアップ方法についてはこちら↓

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ジャッキアップして、ウマに載せて作業する。

クーラントの抜き取り

ラジエータ下にあるドレンコックの下にホースを差し込む。汎用のホースで問題ない。内径8mmだとピッタリはまるらしいが、手持ちは10mmしかなかったのでこちらで代用。下写真のようにホースを差し込み、赤◯部分のドレンコックを緩めると、冷却水が抜ける。

アルトワークス(HA36S)のクーラントの抜き取り

基本は「抜き取った量と同じだけ入れる」ため、すべてタライで受けた。

アルトワークス(HA36S)のクーラントの抜き取り

ちょろちょろ抜けたらラジエータキャップを緩める。一気に抜ける。

アルトワークス(HA36S)のクーラントの抜き取り

ある程度抜けきったところで、ドレンコックを取り外し。目的はドレンパッキンを交換するため。

ドレンパッキンの交換

ドレンコックには、ゴム製のパッキンがついている。冷却水は走行のたびに熱せられ、走行後冷やされるので温度変化が大きく、ゴムにとっては厳しい環境であるので、ヘタリ易い。今回は汎用のゴムパッキンを予防整備の一環として交換しておいた。高いものでもないし。

↓写真の左側が今まで使われていた ドレンコック のゴムパッキン。右側が新品。左側の古いものは、少し痩せてしまっているのがわかる。白色のドレンコックは再使用する。

アルトワークス(HA36S)のクーラントドレンパッキン交換

ドレンパッキンの役目を果たすゴムのOリングは、まとめて購入している汎用品を使用した。

リザーバタンクの取り外しと清掃

リザーバタンクを取り外すには、インタークーラーダクトを取り外す必要がある。↓の赤◯部分のクリップを外すと取れる。インタークーラーがむき出しになるので、フィンを傷つけないように注意。

アルトワークス(HA36S)のクーラントリザーバタンク取り外し

クリップの取り外しには、内装剥がしがあると便利。私は昔購入したKTCのものを使っている。ただ、言ってしまえばプラスチックの棒なので、クリップを割って買いに行く手間を考えると安いものでもあったほうが安心。

リザーバタンクが見えてくるので、こちらも取り外す。↓の2箇所で止まっているので、ステーを広げながら上に引き抜く。

アルトワークス(HA36S)のクーラントリザーバタンク取り外し

リザーバタンクを取り外し、内部に残っていた冷却水をタライへ。といっても、この個体は冷却水がほとんどリザーバタンクに入っていなかった。リザーバタンクは水道水で内部を洗浄してよく乾かしておく。

アルトワークス(HA36S)のクーラントリザーバタンク取り外し

抜き取ったクーラントの量を確認

タライに溜まったクーラントを軽量した結果、2.1L抜けた。あれ、思ったより少ない…おそらくヒーター分が抜け切らず、エンジン内部に約500ml程残っていると思われる。まぁこんなもんかな。

アルトワークス(HA36S)のクーラント計量

リザーバタンクはほぼ空だったが、リザーバタンクには0.36L入る。抜けたクーラントと合わせて2.46L充填すればよいという計算になる。

クーラント充填

クーラントの充填にはクーラントチャージャーがあるとエア抜きがとても便利。私が持っているのはアストロ製だが現在取り扱いしていないようだ。作りは同じものがいくつか出回っているので安いものをチョイスするのがコスパが良いだろう。付属のアタッチメントをラジエターキャップの代わりに取り付けて使用する。

アルトワークス(HA36S)のクーラントチャージャーでのクーラント補充

これを使って、漏斗状になっている上部のパーツを取り付け、冷却水を補充していく。勢いよく入れるとエアが噛みやすいので、ゆっくり注ぐのがコツ。大体1.8L程度入った。1L程入ったところでラジエータホースを揉んでやると、エアがポコッと抜けてくる。

リザーバタンクをにクーラントを0.36Lを補充するとMAXのラインまで入る。補充したらリザーバタンクを車体に取り付け、リザーバタンクにキャップを取り付ける。

アルトワークス(HA36S)のリザーバタンクへの冷却水充填

エア抜き

クーラントチャージャーの漏斗部分を取り付け、器具の真ん中の棒を上側に引いて残りのクーラントを入れる。この状態でエンジンを始動する。

アルトワークス(HA36S)のクーラントチャージャーを用いたエア抜き

サーモスタットの開弁温度がわからなかったので、アイドリングでファンが回るまで放置。しばらくするとボコボコってエアが抜けてくる。エアが抜けて2~3分くらい経ったらエンジンを切り、エンジンが冷めるまで放置。十分エンジンが冷めたら、クーラントチャージャーのレバーを押し込み、冷却水が入っていかない状態にして取り外す。

これでだいたい補充されたが、残り0.2L程は補充できずに残ってしまっていた。せっかくなので、全部入れてしまいたい。そこで、ラジエータキャップを取り付けて普段どおり走行し、また一日放置し、エンジンが冷えた状態でラジエータキャップを空ける。すると、少し液面が下がって200ml注ぎ足す事ができた。これで合計24.4L入ったことになる。

アルトワークス(HA36S)の冷却水エア抜き

最終的に、2.46Lを充填できたためOKとした。

交換後

我が家のアルトワークスにはOBDから水温を取得するメーターがついている。その数値を見て、普段どおりの水温で安定していることを確認。その後、少し負荷をかけて走行。オーバーヒートしないことを確認して完了。これで後4年は冷却水交換無しで乗り切れる。最近のクーラントは長寿命化しており、メンテナンスの手間と環境負荷が少ないので助かる。排出したクーラントはポイパックに吸着して市町村が定める方法で焼却処分。

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