自転車のパンク修理(チューブレスレディのビードが落ちないときの力技)

今年に入ってから、クルマは2台立て続けにパンク。そして先日、通勤に使っているマウンテンバイク(MTB)がパンクしてしまった。小さな金属片がチューブに刺さってた。

荒れた田舎道を走っているので致し方ないにせよ、走行中に自転車のタイヤチューブに金属片が刺さる経験は何度かある。そんな時のために、応急処置できるようにタイヤチューブとタイヤレバー、空気入れは携行していた。その場で交換しようか迷ったが、夜遅かったこともあり結局嫁様にピックアップしてもらった(この判断が大正解だった)。

実は、29erのMTBに乗り換えての初めてのタイヤ交換だったのだが、タイヤ交換の方法、およびビードが落ちずに予想外に苦労したのでその対処法を記載する。

目次

自宅で状況確認

あちゃー。完全にやっちまってるな。原因は、2mm程の金属片がぶっ刺さってた。普段の通勤ではできるだけゴミが溜まるような場所を避けて通っているつもりでも、タイヤおよびチューブがクルマより薄い自転車では仕方なしか。

タイヤとインナーチューブの手配

もう一台のMTBや、以前はロードバイクでも自分でタイヤ交換しているし、特に問題ないだろうということでインナーチューブを手配。ついでに、購入から一年が経ち、通勤で真ん中がすり減ってしまったタイヤも購入した。

購入したタイヤは、29erサイズ。実はコレ、ロードバイクの700Cと互換性がある。また、私のMTBはチューブレスレディのホイールだ。チューブレスレディは、インナーチューブの無い、言わば車やバイクで一般的に使われているタイヤを装着する事ができるが、シール材などの手間がかかることから今回は一般的なタイヤ+チューブの組み合わせでの交換とした。

タイヤはContinentalのRaceKing。通勤で使うので、ドライの路面でもそこそこ良い感じのグリップを確保しつつ、転がり抵抗が少なめのモノを選んだ。

タイヤに組み合わせるインナーチューブは、同じくContinentalの29×1.75-2.5(仏式42mm)。タイヤ幅が29インチ×横幅2.2インチなので、それに対応したものを選択。

コイツを、X-Caliber8に組み合わせる。

タイヤを取り外す

今回は前後輪の交換となるので、まずは前輪から取り外し。フロント側から作業した。フロントのホイールハブを止めているセンターナットを取り外す。手で緩む。

緩んだら、新車時に付属していたブレーキパッドに挟む治具をかませる。ブレーキローターが付いていない状態で前輪ブレーキを握ってしまうと、ブレーキ押し戻しに手間となるので、下図の赤い治具をブレーキパッドの間に噛ませておく。

続いて後輪の取り外し。こちらも手で緩めることができる。

反対側のプラスチックで表面を覆われたナットと同時に緩めてやると外れる。

センターボルトが抜けたら、ディレーラーを車両前方に押してチェーンをギアから外して、ホイールを取り外す。

次に、今回はパンクしていない前輪も交換するので、空気を抜く。ここまでは順調。

ビードが落ちない

ここからが苦労した。タイヤとホイールが噛み合う部分を「ビード」と言うが、通常であればタイヤから空気を抜いた状態で手でタイヤ側面をグイグイ押せばビードがホイールから外れて(これをビードが落ちる、逆に嵌めるときはビードが上がる、と言う。車用語??)、タイヤを交換することができるのだが、いくら押してもビードが落ちない。

ペンチでつまんでビード落とし

マイナスドライバーなどで抉ると、ホイールに傷が付きそうだったので、今回は力技でビードを落とすことにした。ペンチでタイヤをつまみ、タイヤの回転軸方向に倒す(下図)と、タイヤがホイールから外れる。ホイールの内側に見える赤色のものがリムテープと呼ばれるホイールの内側の金属部分からインナーチューブを守るためのテープ。

これでビード落ちさせることができた。

なんでこんなに硬いんだろう。山でこういう事が起きたら、インナーチューブを交換することになるができそうな気がしない。トレイルに出るときは、少なくともペンチ持っていこう。

疑問に思ってMTBを教えてくれてる後輩に聞いてみた

実はMTBの購入を勧めたりトレイルに連れて行ってくれる会社の後輩(MTBの先輩)に聞いてみた。どうやらチューブレスレディのホイールは通常のタイヤレバーではビードは落ちないようだ。そこで勧められたのがチューブレスレディホイール用のタイヤレバー。

これ、今回やったみたいに「ペンチ」のような形状になるので、テコの原理を使って、引き剥がすようにビードを落とすことができる。これ買っとけば良かった。次回からはこちらを使って交換の予定。なるほど。やり方としては間違っていなかったようだが、ちゃんとしたツールがある。

なお、ビードを上げる時は、タイヤを揉みながらリムに入れていくとのがコツとのこと。

タイヤのバラシ

通常、インナーチューブはパンクしてしまうがタイヤには被害が最小であり、金属片が刺さった程度であれば再利用するのがリーズナブル。今回はタイヤも交換するので、全てバラす。

インナーチューブから出ている空気を入れるためのバルブとホイールとを留めているナットを外し、チューブを引っこ抜く。その後、タイヤを取り外す。

新品タイヤを取り付け

まず新品のタイヤをホイールにあてがい、タイヤの片方のビードだけをホイール内側へ這わせる。

次にタイヤチューブをタイヤの内側に入れ、バルブをホイールに通す。ホイールに仮止めしたら、タイヤチューブに軽く空気を入れておく(5ポンプ位で良い)。こうすることでチューブとタイヤが噛み込んでパンクしてしまうことを防ぐ事ができる。

その後、↑でホイールに入っていない方のビードをホイールに入れる。この時点で空気はまだ全然足りていない状態。

空気を入れる

空気を入れていくと、タイヤがインナーチューブに押されて勝手にビードが嵌まるはずなのだが全然はまらない。あまり空気を入れすぎてしまうとパンクしてしまうおそれがあるので、一旦諦めてタイヤワックス(タイヤの艶出し用ではなくタイヤ交換用のワックスね)を付けてビードを嵌める作戦に変更。

タイヤワックスの在庫がなかったので、車整備で使っているシリコングリスを使用した。シリコングリスはゴムに対する攻撃性が低いのでゴム部品を扱う場合にはシリコングリスを選択する必要がある。

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ビードの周りにシリコングリスを塗布し、空気入れで空気を入れていくと、「パン」っていう音がしてタイヤがビードに嵌った。

車体への取り付けとグリスアップ

後輪も作業は同様。後は車体へ取り付ける際に、ホイールボルト部分のグリスアップやチェーン清掃をしておくと後々楽。完了したら組戻して完成。

タイヤを取り付けたら、実際に数km走行してみて、トラブルがないかを確認。これでタイヤ交換完了。

まとめ

通勤中にパンクしてしまったMTBのタイヤおよびインナーチューブを交換した。今回はビードが外れなくペンチでつまんでビードを落とすことで交換することができた。この辺は力技で乗り切ったが、原因はリムテープやホイール形状の差だと思われる。タイヤチェンジャーでやる車の方が楽だ。。。ともあれ、タイヤ交換が完了したので、通勤が楽しみである。

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