アメリカにで、同僚とともに耐久レースに出ることになった。レースは24 Hours of LEMONSというシリーズ戦にスポット参戦することになった。このレースに参戦した経緯と、結果を記事にしてみた。前回の準備編に続き、今回はレース編。
レース概略
出場するレースは、全米を舞台に行われるシリーズで戦であるLemono24シリーズのうち、地元ミシガン州の、Gingerman Racewayというサーキットで行われるRust Belt GPに出場した。5/10金に車検、5/11土にレース1日目(9:00~18:30)、5/12日にレース2日目(8:30~10:00, 12:00-15:30)という日程で合計14時間走行。
メンバーは、今回のレースが初レース。私も日本でしかレース経験がないので、アメリカでのレースがどのようなものか興味津々。
このレースは、運営者の「ジョークで楽しませよう」というノリがすごくて、楽しい。ルールブックも、ところどころ面白い記載がある。例えば、
1.5 Winners and Prizes: Classes are assigned (a.k.a., pulled from our butts) during tech inspection based on the judges’ best guesses; post-assignment whining gets you kicked into the next faster Class. Winners may be paid in nickels, dollars, rubles, or some other painfully inconvenient currency
(意訳)勝者と賞金:オフィシャルの独断でクラス分け(別名、キバってウ◯コをひねり出す、とも言う)を行う。キーキー文句を言うヤツは、上位クラスに強制的に分類することとする。勝者には、5セント硬貨、ドル、ルーブルもしくは非常に使い勝手が悪い通貨で賞金が支払われる。
https://24hoursoflemons.com/prices-rules/#general
2024年5月10日 車検
さて、車検当日。サーキットにいくと、「ドライバーか?」と聞かれ、そうだと答えると「ドライバー?お前がチームに迷惑をかけるドライバーか?こんなレースに出るなんてお気の毒に…」って笑わせに来る(日本語で文字に起こすとキツイ言い方だけど、全然嫌な言い方じゃない)。誰かこう言う時にうまいこと返せるユーモアを教えて欲しい。
車検
車検には、車両がLemonの基準に則って作成されているか、危険がないかの観点でチェックされる。消火器、ロールケージなどの安全装備については日本の草レースより厳しいイメージ。さらに、チューニング込の車両価格が$500以下である事、という条件があるので、必要に応じてその言い訳をする必要がある。
配線がちゃんと養生されていないという指摘をもらい、再車検で無事にパス。パスすると、ボンネットとトランクに「LAME, Sorry mom(イケてないクルマでごめん、ママ)」ってペイントされて車検完了。ここでも笑わせて来る。
その後、装備品(クルマ用ヘルメット、レーシングスーツ、レーシングシューズ、レーシンググローブ、レーシングソックス、HANS)の確認がある。前日にソックスがないことに気が付き、必死でサーキット付近のレーシングショップに電話を掛けて確保しておいてもらった(汗)。
サーキットでキャンプ
今回はサーキットでキャンプをすることにした。私も日本からいくつかキャンプツールを持ってきていたので、宿泊費の節約も兼ねて、キャンプすることにした。
会場は芝生になっていて、どこでもキャンプ可能。アメリカらしく、トレーラーハウスを牽引してくるチームが結構いた。ちなみにトレーラーハウスの中にクルマを入れているので、とにかくデカい。
このレース前の雰囲気が大好き。私達のチームはそれぞれがテントを張って寝るスタイル。仲間内でBBQして、メンバーが羊肉のソテーを作ってくれた。美味!
2024年5月11日 レース1日目
私は爆睡していて全然気が付かなかったが、午前2時頃に大雨が降り、チームメイトのテントが水没し、メンバーは2時間しか寝ていない状況でのレース1日目。早くも波乱の予感。
スタートは上々。
黒旗~そして1日目終了
このまま周回を重ねられれば、、、と思ったらコースアウト。プッシュしすぎたらしい。ちなみに、4輪がコースから出てしまったら黒旗扱い。
ドライバー交代後、2人目もコースアウト、どれだけ激しいレース展開なんだ?と思ったが、みんな張り切り過ぎてしまったよう。さらに、ラジエータのパイプが劣化で破裂、急遽応急処置でタイムロス。さらにレース復帰時の合流白線を踏んでしまって、再度黒旗。レースから2時間経過た時点で黒旗を3回ももらっている。
3人目、私の走行は、コーナリング限界の90[%]程度手前で走行した。耐久レースに出場した経験上、極端に遅くなければそれくらいのペースで走行するのが安全確実。遅い車がいたら抜けるとこで確実に抜き、速い車がいても別に譲らず、安全に抜いてもらうのを待ちつつ、無事故無違反で交代。
ここまで来たらペースダウンするのが人情だと思ったのだが、さすがアメリカ育ち。4人目のドライバーもコースアウト。これで黒旗4回目。さらに、メンバーが10mile/hのピットロードを30mile/hで走行したため、ピットを”10mile/h”の看板のサンドイッチマンになって一周するペナルティを受けた(オフィシャルの裁量で、黒旗4.5回という扱いとなった)。
6.0.1 Progression of Penalties: Black-flag penalties are always at the discretion of the race judges and get increasingly harsh as the number/severity increases.
1st black flag of day—usually, just a stern chat.
2nd black flag of day—embarrassing, time-consuming penalty at judges’ discretion.
3rd black flag of day—same as above, plus a mandatory 1-hour penalty.
4th black flag of day—same as above, plus a mandatory 3-hour penalty.
5th black flag of day—whole team ejected for rest of the race.(意訳)黒旗はオフィシャルの判断で振られ、回数や重大度によってペナルティが厳しくなる。
https://24hoursoflemons.com/prices-rules/#driving-and-penalties
1回目/1日:まあ、あること。厳重注意。
2回目/1日:オフィシャル判断による、恥ずかしく、時間のかかる罰則
3回目/1日:2回目の罰則プラス1時間のペナルティ
4回目/1日:2回目の罰則プラス3時間のペナルティ
5回目/1日:その日の残りのレースは終了。
ちなみに、2回目の黒旗の時には、乾麺パスタを糊で画用紙に貼り付け、スピンの状況を説明する絵を作り、オフィシャルに説明せよ。という罰ゲームだった。いい年したオッサン4人が協力して画用紙にパスタをチマチマ貼り付ける事になった。
そして、4人目のドライバーが再びコースに出て、スピン。。。1日目を完走できずに退場となってしまった。反省会をして、翌日はノーミスで行くことを目標として就寝することに。初めてのレースだからって、みんな張り切り過ぎ(笑)。まぁコレも、耐久レースだって感じ。
2024年5月12日 レース2日目
チームメンバーの奥様が妊娠していて、予定日は2週間後だったが、破水したとの連絡があり、クルマを貸してほしいとのこと。彼のクルマは電気供給で使っていたので、私のクルマを使いたいとのこと。もちろん快諾。ということで、1名メンバーを欠いた状態で2日目のレースに臨むことになる。
初日の反省を生かした走り
メンバー3人なので、車両トラブルが発生したらおそらく復帰は絶望的。ということで淡々と走行することを目標として運転。
二日目は一度もペナルティをもらうことなく、完走できました。
表彰式で、1日目の絶望的な5回の黒旗にも関わらず、2日目は黒旗0回ということで、表彰されました(笑)。
日没は夜9時ころ。私はクルマがないので遠慮なく飲ませてもらった。お疲れさま!
まとめ
今回は、アメリカの耐久レースLemno24のRust belt GPに参加してみた。私はアメリカで初の耐久レース、他メンバーは初レースとのことで、多くのことを学ぶ事ができた。ほとんどノリで参加したため、作戦も何もなく、いろいろ痛い目を見たものの、車両を作るところから、最終的にチェッカーを受けることができ、また表彰までされたのがありがたかった。チャレンジしてみて良かったと思う。
英語はまだ完璧じゃないので苦労すると思ったのだが、思ったよりなんとかなるもの。自分の興味のある分野や前提知識がある分野だと、何故か理解できるし、レース中、色んな人に話しかけられた。クルマ好きは世界共通なんだなと思った。
レース準備編はこちら
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。WEB久々に訪問しました。CANデータ取得で以前質問させていただいたものです。
あれから色々マイコン変えてデバックばかりで進捗の少ない日々を送ってます。
北米でレース参戦されたのですね。自分とかなりかぶる部分があるので、またの記事楽しみにしています。
人生勉強 様
コメントありがとうございます!最近停滞気味ですが、、、実は仲間とコツコツ車を仕立てております。また参戦しますので、クルマづくりの過程も記事にしますね!ターボチャーj、、おっと危ない(笑)