耐久レースの装備を新調してみた(初級~中級者向け)

この記事では、耐久レース参戦にあたり新調した装備を紹介する。今回参加した耐久レースは、いわゆる草レースというやつで、仲間内でワイワイ参加するのを楽しむコンセプトが強かった。

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しかしながら、日本の草レースよりも少し厳し目のレギュレーションとなっていた。例えば消火器を入れること、ロールケージはサイドバーおよびルーフバー付きの6点式であること、キルスイッチを備えている事、等である。ドライバーの装備品についても新規購入が必要であった。

今回新調した装備は、日本の一般的な草レース規定よりやや厳しいものであるが、安全性は確実に向上するため、おすすめしたいと思う。

目次

SNELL、FIA、SFIの規格と安全性

参加するレースによって、SNELL規格、FIA規格、SFI規格に適合した装備を求められるため、参加する予定のレースの規約書をよく読む必要がある。特にレース規約に規定が定められていない場合、基本的にはヘルメットはSNELL規格、その他の装備は耐火性に焦点を当てたFIA規格、SFI規格に適合した装備を用意しておけば間違いないだろう。

SNELL規格

SNELL規格は、主にヘルメットに適用される安全性を定めている。ヘルメットは、車両が横転したり、追突した時に内装に頭がぶつかった時に頭部を守ってくれる非常に大事なアイテムだ。私は、日本では、Araiの四輪用ヘルメットを愛用していた。

FIA規格

FIAは、フランス語の”Fédération Internationale de l’Automobile”(なんて読むのかしら)の頭文字を取ってつけられた団体名で、国際自動車連盟と訳す。F1をはじめとした各種レースを主催している。車両規定はもちろん、安全装備などの認証を行っている団体である。

SFI規格

SFIは自動車アフターマーケット業界SEMAを起源とする団体で、SEMAから独立して現在に至る。彼らは主に北米で開催されるレースの安全装備の基準を定めている。

それぞれの規格が重複することもある。ルールブックを確認しよう

片方の団体の基準が別の団体の基準と同じだったり、あるいはある団体の規格がそのまま他の団体の企画にも応用されることもあるため、装備品を作っているメーカーは複数の認証を取っていることが多い。走行予定のサーキットのルールや、参加予定のレースのルールに、必要とされる装備品の規格が記載されているので確認しよう。

レースは特に参加する予定がなく、サーキット(特にミニサーキット)が初めてで、とにかく安く済ませたい、という方であれば、まずは以下の記事を参考にしてもらえれば良い。

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今回私が揃えた装備品は、アメリカで開催されるLemono24のレギュレーションに合わせたものだったが、このセットは日本の初級~中級のレースや、国際規格のサーキット走行時にも有効であるため、具体的に出場が決まっているレースはないけど、安全性を考慮して少しいいものを買っておきたいという方のために、以下に紹介していきたい。

レーシングヘルメット

これは、日本で買うなら私はアライ一択。SNELL SA規格/FIA8859規格に適合しているため、一般人が参加するレースで、これを持っていてレギュレーション違反となることはないだろう。

サイズの測り方はアライのWebサイトより↓

■頭のサイズの計り位置
まゆの上、丁度おでこのいちばん高い位置です。おでこの位置から水平に後ろに回した位置が、後頭部のいちばん高い位置になります。

https://www.arai.co.jp/jpn/faq/fq_top.htm#q6

アメリカでアライのヘルメットは手に入らなかったので、今回はConquerというメーカーのヘルメットを試してみた。4輪用で、フルフェイスでSA SNELL 2015以上、もしくはFIA8860-2000に適用していること、というLemon24で求められているレギュレーションにも適用。HANS対応(後ほど説明)が必要なため、それに合致するものを選択。

かぶり心地は割と良かった。ベンチレーションもついており、お気に入り。日本では販売していない模様。

HANS

Hansとは、head and neck restraintの略称で、首と脊椎を守る大切な装備。サーキット走行時、通常は5点式シートベルトに体がガッツリ固定されている。衝突の際には、慣性により頭の重さにヘルメットの重量を加えた重量で、頭部が前方に引っ張られることになる。この結果、脊椎を損傷してしまう事があるため、頭部が前に飛び出さないようにヘルメットにアンカーを取り付け、胸部のパーツとシートベルトに固定するパーツである。

F1やGTドライバーなどは着用しているので、見たことがある方も多いと思うし、最近では一般にも普及してサーキットで着用している人も多い。

今回出場するレースは着用が義務。出場するレースにもよるが、以前は”推奨”だったが、義務化しているレースも増えてきている。

四輪用のヘルメットと併せて、命を守るデバイスなので、強くおすすめする。

レーシングシューズ&ソックス

レーシングシューズは、日本で使っていたものをそのまま流用。靴底が薄く、とても運転し易い。

上記はRA-3というモデルで終売のハズ。耐火規格であるSFI 3.3A/5 に対応している。

同様の規格モデルは以下。ReceQuipは安くて品質も良いためおすすめ。

レーシングソックス

恥ずかしながら今回、初めて知ったのが耐火ソックスがあること。これもレギュレーションで決まっていたため購入。薄手のため、ペダルインフォメーションが感じやすいというメリットもある。ReceQuipのが一番安かった。

レーシンググローブ

レーシンググローブも、耐火規格に適合したSFI3.3/5の二重構造のモデルをチョイス。厚みが増して操作性が不安だったが、滑りにくい加工がしてあり、全く支障がなかった。

レーシングスーツ

レーシングスーツも新規に購入。SFI 3.2A/5対応で、2層以上であること、というレギュレーションに合致するものを選択。以前のレーシングスーツは大分古くなっていたので、これを機に新調することにした。

サーキット走行を続けるのなら安全性へ配慮したものを!

耐久レース参戦にあたり新調した装備を紹介した。すべての装備を揃えるとなると、なかなかの金額となる。正直、初めてサーキットに行く方には、個人的にはおすすめしない。しかし一方で、しばらくサーキット走行やレース活動を続ける前提であるならば、安全性に配慮された装備を揃えておいたほうが最終的にに余分な出費が不要となる。

レギュレーションで決まっているから、ということももちろんだが、その背景には、主催者の「参加者に安全に楽しんでほしい」という想いがある。ある程度サーキット走行に慣れてきた、または、レース参戦を検討している方は是非、ご自身のためにも安全に、楽しくサーキットを走っていただきたい。

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