S660のノーマルのクラクションの音は「ビーッ」という、いかにもお金かかっていません、という音。今まで鳴らしたのは峠道で目の前に居座る野生の鹿にどいてもらうため、程度だが、せっかくの趣味のクルマなので、高級感のある社外ホーンに交換することにした。
プラウドホーン+ハーネスセット
選んだのは、ミツバサンコーワのプラウドホーン。ロングセラーのド定番。
純正の平型ホーンの「ビーーーー」っていう音から、渦巻ダブルホーンの低音/高音がミックスした、高級感のある「ファァァァーーーン」という音に変えることができる。
今回はこのハーネスセットを改修して使ったのでその方法も記載する。
作業構想
ホンダ車専用ホーンハーネスセットをそのまま使って配線する場合は以下のようになる。製品自体よくできていて、このまま使っても何ら問題はない。
ホンダ車専用ホーンハーネス改修の目的
1.ホンダ車専用だが、”S660専用”というわけではないので、ポン付けだと配線がだいぶ余ってしまう。おそらく量販店でホーン取り付けをお願いすると余った配線をグチャっと一箇所に纏めて固定してくれると思うのだが、S660はスペースが少ない。余分なハーネス分重量増加となる。微々たるもので気にする必要はないが、せっかくDIYでやるのだから、ここはこだわりたかった。
2.ホーン交換の際にバッテリーのプラス側端子に共締めしてホーン用電源を取得するのが通常。しかし、私はできるだけバッテリーに直接つながる端子を弄りたくない。そこで、純正のヒューズボックスから+B電源を取得することにした(後述)。さらに、ホーンハーネスに付属のヒューズは30Aの平型ヒューズで、現代の車には使われることが少ない。これを省スペースのミニブレードヒューズに置換する。メリットは、万が一ヒューズが切れても車両に付属の予備ヒューズがミニブレードなので、それを使って修理が可能となる。
今回は、このハーネスセットを以下の図のように改修して取り付ける。
ホーンはエンジン停止状態でも鳴動する必要があるので、純正ヒューズボックスのバッテリー電圧が直接入力されている端子からバッテリー電源を取得する。
作業前の準備
まずはバッテリーの端子を外す必要がある。
S660のバッテリーは、フロントフードを開けただけではは見えない。幌を格納するフロントのユーティリティボックスの後ろにあるためだ。
ユーティリティボックスを取り外すと中央にバッテリーが見える。
↑画像の黄色で囲われたバッテリーのマイナス端子側(黒い方)を外す。プラス側(赤いキャップがついている側)はバッテリー交換の時以外、基本は触らない。ちなみに慣れると、ユーティリティボックスを取り外さずにバッテリーのマイナス端子を外すことができる。
バッテリーのマイナス端子は奥まっていて工具が入りづらい。ラチェット機能付きのコンビネーションがあると非常に楽。世の中の殆どのクルマのバッテリー端子が10mmなので、これ一本あれば応用が効くし、臨時用の車載工具としても役に立つ。見て分かる通り手のひらにすっぽり収まり、ラチェット機構がついている。
外したバッテリーのマイナス端子は、養生テープで絶縁しておく。
室内からクラクションボタンを押した時、鳴らないことを確実に確認しよう。
バンパーの外し方
タイヤハウス内にあるビスネジを左右1箇所ずつ外す。
ライトまわりを養生テープでガッツリと保護。ここが傷つくと精神的に凹むので一番慎重に行った工程。ナンバープレートを外したら、下図の赤丸のクリップ5箇所を緩める。
クリップは、マイナスドライバーで以下のように外す。
車両下側にあるクリップを左右2箇所ずつも同様に外す。
あとは、手前に引っ張れば外れる。このとき、タイヤに近い方から順番に外していくと外れやすい。
ホーンの交換の取り外し
これが純正ホーン。とってもシンプル。カプラを抜いてしまえば、ネジ1本で止まっているだけ。
ミツバ製だった。
ホーン配線
FUSEDボックスの取り外し
下の写真がFUSEボックス。バッテリーから太いケーブルが接続されている。まずはFUSEボックスの蓋を外す。下写真の赤丸のタイラップは切断しておくと楽(組付けのときに新しいタイラップで固定する)。
蓋を取り外したら、下赤丸の爪を外側に押してやるとFUSEボックスを上に引き抜くことができる。
爪4箇所を外しながら、垂直に引き抜くと外れる。防水のため固くしまっている。爪を浮かせたら、そこからはできるだけ垂直に引き抜くのがコツ。
リレーの設置
ハーネスセットに付属のリレーは、先にリレー本体だけをボディ側に固定しておく。
ハーネスのバッテリー接続部分の改修
ミツバのプラウドホーンの消費電流は8A。左側が今回使用したミニブレード15Aヒューズ。右側がセット付属のヒューズ。
ハーネスセットのバッテリー接続部分を切断する。
このままだと端子に締めることができないので、ヒューズホルダを用いて配線する。使用したパーツは8Φの丸形圧着端子と、エーモンのミニブレードヒューズホルダー。3sqの配線がされているので安心。
これらを使って、以下のように配線。
ハーネスのバッテリー電源への接続
下写真のFUSEボックスの赤◯部分に先程作成したハーネスを共締する。ホントは5連FUSEの空きがある30Aの下流側に接続したかったのだが、ちょうど良い端子がなかったので、これで良しとした。
下側から配線を引き出して、メインのハーネスとともにタイラップで固定。ボックスを元通り戻し、先程、車体側に取り付けたリレーのコネクタと接続。
ここまでで、+Bの取り出し完了。
ホーン接続側のハーネスの改修
ホーンに接続される配線は、黄色(電源側)と、青(ホーン信号)が別々。これだと、ハーネスの量が多いので一つにまとめてしまった。ホーン信号側のコルゲートチューブ(黒い配線保護のチューブ)を取り外し、黄色側のコルゲートチューブに押し込む。配線が傷ついて露出する可能性があるところはハーネステープで保護しておいた。
上記写真は、まとめる前。2本のコルゲートチューブだと取り回しが大変。これを一つのコルゲートチューブに統合して、配線する(下図)。純正配線に添わせてタイラップで固定。
リレー駆動線のボディアースへの接続
リレー駆動線は、左前輪のホイールハウス内にある集中ボディアースへ接続(ここではまだ、ホーン側のアース接続があるので締めこまない)。
純正ホーンカプラとの接続
純正ホーンのカプラをハーネスセットのカプラに接続。ここは防水性優先でハーネスを切らず、小さく折りたたんで純正のハーネス周りに格納。
プラウドホーンの配線
新しいホーンは2つセットとなっているので、片方をバンパーブラケットに共締して取付。セットに付属のアース線は長すぎだったので切断。ギリギリの長さとなるように調整して、平型端子を再度カシメ。上の作業で行ったリレー用の集中アースに追加して本締め。
牽引フック側のバンパーブラケットに、金具を用いて取付。使用したブラケットはこちら。無加工でピッタリ取付可能。カインズホームで同じものがバラで売っているので、近くに店舗がある場合、カインズで手配するのがおすすめ。電源線は最後に長さを調整して取り付けする。これでホーン1個目搭載。
もう一つのホーンは、純正ホーンのネジ穴を利用して設置。アース線は純正の取り付けボルトを共有するとシンプルで済む。ただし、付属のアースハーネスだと長すぎだったのと、ネジ径より小さい端子だったので、一度切断して短くし、丸型端子を圧着して作成。
電源側の配線(黄色)も、ホーンそれぞれにちょうどよい長さになるように切断し、再度平型端子を取り付けて配線。
ホーン電源の全体的な取り回しは以下のように行った。
とてもシンプルでメンテしやすい配線となったので満足。バッテリーを接続して動作確認。OKであればバンパーを組戻して完成。
使用した部品
NBロードスターやフリード、987ボクスターのホーンは全てこのプラウドホーンへ交換している。プラウドホーンは、自動車関連のアクチュエータ製品を中心に開発しているミツバの子会社で、ミツバサンコーワが作っている。同社にはロングセラーのホーンが多くある老舗。私もそうだが「ホーンはミツバ」って人も多くいる。
(ミツバサンコーワのHPから試聴できる。価格はアマゾンの方が全然安い)。
別売りでメーカー別のハーネスキットもされており、今回はホンダ車専用ホーンハーネスセットを使った。これを使えばポン付けでつけることができる。
インプレ
純正ホーンに比べて、「高級感」のある音になった。このへんは自己満足の領域で、マストに交換するアイテムではない。しかし、自分でハーネスをS660に併せてカスタマイズし、シンプルに配線できたので満足度は高い。カプラとハーネスを1から作って、リレーだけは信頼性の高いものを使ったほうが安かった感があるが、今回は既製品を流用して作成した。
バンパーを取り外したついでに、飛び石やタイヤカス、虫からコンデンサを守るためにメッシュガードを追加した。
S660 フロントバンパーメッシュガードの取り付けの記事を見る
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