アルトワークス(HA36S)のリアブレーキオーバーホール

アルトワークスの車検整備の一環で、リアのブレーキオーバーホールを行った。アルトワークスのリアブレーキはドラム式。構造がシンプルなため、工具をほとんど使わずに分解することが出来る。しかし、今回はオーバーホールの過程でホイールシリンダー(ブレーキが踏み込まれた際に、リアシューをドラムに押し付ける部品)が取り外せずに、プロのお力を借りすることとなってしまった。そのあたりも含め、顛末を記載した。

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目次

ドラムブレーキについて

アルトのリアブレーキはドラムブレーキ。構造もシンプルで、ガツンと効く。放熱性はディスクブレーキに劣るものの、使用負荷が比較的軽いリアブレーキとしては、車重が軽い車両やコンパクトカーではよく使われている。ドラムブレーキはサイドターンやり易いのが良いね(?)。

リアレーキのOHについては、フリード(BG3)でも実施している。基本構造は変わらない。こちら↓

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ブレーキドラムの取り外し

ジャッキアップ

まずジャッキアップをして馬をかける。ジャッキアップについては、こちらの記事を参照。

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ドラムカバーの取り外し

ジャッキアップが完了したら、次に、ドラムを外す。作業前に「サイドブレーキは解除」しておくこと。その状態でドラムを手前に引き抜けば抜けるはずだ。しかし、外れにくいという場合には、下図のようにサービスホールに手持ちのボルトを締め込んでいくと、「バコっ」と外れる。

ドラムブレーキの分解

主な部品は下記。この時、写真を撮っておくと良いだろう。組み立てるときに不安がなくなる。名称は下記参照。

ホールドスプリングの取り外し

ホールドスプリングは、ラジオペンチ等で先端を回転させれば抜ける。この際、ラジオペンチ等で先端をつまみつつ、ホイールの内側方向に押しながら回転させる。

ホイール1つあたり2箇所あるが、どちらも同じ。

ブレーキシュー下側のバネ(ロアリターンスプリング)を外す

ブレーキシューを繋いでいるバネ(ロアリターンスプリング)を取り外す。スプリングフックというツールがあると便利。

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コレをバネに引っ掛けて取り外す。

ラジオペンチなどで代用してもできなくはないが、力が入りづらいため、初めての場合は使用を強く勧める。バネが外れたら、ブレーキシューを外すことが出来る。

他のスプリング類を外せるように外す。初見だと、すごい複雑に見えるかもしれないが、実は作りはとてもシンプル。

オートアジャスタを取り外した。次に、サイドブレーキにつながっているワイヤーの取り外し。

次に、サイドブレーキにつながっているワイヤーの取り外し。サイドブレーキのワイヤーを取り外す。バネになっているので、その部分を縮めたまま抜くと素直に抜ける。これでドラムブレーキのブレーキシュー周りは取り外し完了。

ホイールシリンダーの交換

ホイールシリンダーを交換する。シューのみ交換の場合はこの過程はスキップ出来る。本来は、中のピストンとゴムを交換する想定だったのだが、スズキ純正部品では、Assy交換となっているようだ(次回は社外品の補修パーツが売っているので、それを使うことにしよう)。部品はこれ↓。

この部品の左右についているゴムブーツの中にシリンダーが入っており、ブレーキを踏んだときに外側に押し出されてブレーキが効く仕組み。

この裏側に、ブレーキの配管が来ているので取り外す。ブレーキ配管のナットは真鍮製。無理に力をかけるとすぐ舐めてしまうから、ラスペネ吹いてフレアナットレンチを使って慎重に、、、やってもこうなってしまった↓。

おそらくツールの強度が弱い。安いツールでは全く緩まなかった。ブレーキフルードは漏れていないので、素直にオーバーホールを諦めて、古いブレーキシューを組み込み。グリスアップして元通り戻し、プロに依頼することになった。

シューの交換だけであれば、グリスアップとオートアジャスタの調整となる。手順はフリードと変わらず。

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さて、一般的に、ショップや工場がユーザーのミスをリカバリする仕事を受けてくれるとは限らない。素人が弄ってミスした内容に対してリカバリする工数も馬鹿にならないからだ。丁寧に説明した上で、仕事として受けて頂けると言ってもらえたら、感謝の気持ちを忘れずに。

リアブレーキホイールシリンダーの交換とシュー交換

私は、ロードスター時代から長いおつきあいのあるショップ、ガレージAzナカザワさんを頼った。私がDIYで作業することを知っているため、受けてもらうことができた。プロの仕事、早くて確実。

やらかした配管とホイールシリンダー。

聞くところによるとやはり、「ツールの違い」とのこと。自分が持っているフレアナットレンチより大分剛性が高いフレアナットレンチを使っていた。

ネジをナメない工具の工夫についてはこちらを参照。

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まとめ

ブレーキ配管で作業ミスがあったのでプロの力を借りる結果となったが、リアブレーキのOHが完了。シュー交換だけであれば、ネジを使っておらず、バネを組むだけなので簡単だ。ドラムのリアブレーキが減ることはほぼなく、アルトワークスも12万キロ以上走っているが半分くらい残ってたが、フィーリングが改善。予防整備の意味で、交換しておいて良かった。

部品代
スズキ純正ブレーキシューセット: 3,630円
スズキ純正ホイールシリンダーAssy:4,785 × 2 = 9,570円

純正より安い社外のシューを用いる事もできる。大手メーカーでいうとこんな感じ↓

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