電装品の動作確認やガジェット開発のための安定化電源

車両の電圧は12V。車両の電装品や、自作の車用ガジェットの動作確認をするために必須と言っても良い「電源」。そこで、車両の電源を入力できる12V(殆どの電装品は14.5Vでも良いが、一般的には12Vで問題ない)を家庭用コンセント電源から作成する方法を紹介したい。

目次

クルマの電圧と安定化電源の必要性

クルマの電圧は12V。これは、クルマに搭載されているバッテリー端子の電圧(停車時)となる。クルマのエンジンがかかった状態だと、このバッテリーを充電するために、14~15V位の電圧がかかった状態となっている。一般に、エンジンがかかっている時にACC(アクセサリソケット)に来ている電圧は15Vより少し低いと考えておけばよい。

電子部品、アクセサリーの事前動作確認

例えば、新しい電子部品を購入した場合(特に、品質に不安があるメーカーや商品の場合)は、事前に動作確認しておくと良いだろう。クルマに取り付けるために各所をバラして、苦労して取り付けたにも関わらず、部品が壊れていたので結局もう一度バラして…なんてことがあると辛い(日本のポピュラーなメーカーはほぼ大丈夫だが)。

自作電子部品の開発~動作確認

自作の電子部品、特にプログラム作成を伴う部品の場合、例えば、試作回路作成→プログラム作成→動作確認→最終基板作成→最終確認 という流れで開発を行う場合には、それぞれのフェーズで車両でテストを行うのは車両を壊してしまうリスクもある。この場合、机上でテストを行うため、動作確認を行うことができる環境が必要だ。

とりあえず安く作るなら

とりあえず、12V。電流は1A程度でOK!というのであれば、迷わずBOOK OFF(HARD OFF)へ直行しよう。ノートPCなどで使われるAC電源アダプタを使えば、安く作ることができる。下のAC電源アダプタはジャンク品セール中の特別価格で300円。下の図の赤◯の通り、定格は12V5A、電源の形状も記載されているのでこの情報に基づいて12V電源ユニットへ加工する事ができる。

これを用いて、カーオーディオをガレージ用に加工した。

あわせて読みたい
カーオーディオをガレージのオーディオとして使えるようにしてみた 作業をしながら、あるいはクルマを眺めながら音楽を聴きたかったので、ガレージの100V電源(家庭用コンセント)から格安カーオーディオが動作できるように改修。今回は...

電源コネクタの加工

まず端子をぶった切る。

切り口をワイヤストリッパで剥く。アダプタのSPECに+とーの流れる絵が書いてある。下図の白い線がプラス側、外側を取り巻いている線がマイナス。ACアダプタにより配線が違うので注意。

内側の線と外側の線を分離する。

それぞれの電線をはんだ付けし、熱収縮チューブで保護。ワニ口クリップなどに分岐すれば完了。下写真はガレージオーディオの電源に使用したので+側の配線を分岐して3つ(+B,ACC,GND)にしている。これで簡単に12V電源を取得できた。

電源系を扱う作業では、安いものでいいから必ずマルチテスターで極性や動作確認を行ってから接続すること。部品が壊れるだけであればまだいいが、最悪燃えるので。

簡単に作りたいなら安定化電源を購入

もっと簡単に作るなら、Amazonなどで売っている安定化電源を購入するという手がある。今回は、電子工作のために新しいテスト用の安定化電源が欲しかったので購入してみた。

20Aまで対応可能な大容量な電源

20Aまで対応できる電源。大きな電流を食うウーハーなどを動作させるときには必須となる。また、複数の部品を同時にテストするときにはあると便利だと思う。横幅が20cmと少し大きいのが難点だが、作業スペースがあれば余裕ある電源供給が可能だ。

別売りのコンセントに接続するためのケーブルを差し込む(プラスドライバーでネジ止め)するだけ。ネジのサイズが端子のサイズぎりぎりだったが、そのままドライバーで締め付けて取り付け可能だった。

電圧を計測してみると、12.07V。電圧調整ダイアルがついているので、微調整可能。

これで簡単に12Vが取り出し可能。

電子工作の検証に便利な3Aの電源

20A使うような作業はそれほど無いので、3Aのものも購入してみた。こちらをメインで使っている。

電源取り出しのためのコードもあると作成が簡単。

こちらもネジのサイズが端子のサイズぎりぎりだったが特に問題なく取り付け完了。あとは、12V出力電源ON/OFFのためのスイッチ(↓のようにコンバータの出力以上に対応していることを確認しよう)を追加し、出力にワニ口クリップを取り付けて完成。

こちらも問題なく12Vを出力できることが確認できた。

マイコン関連を弄るのであれば5Vがあるととても便利

12Vが作成できたところで、次はマイコンなどでよく使う電源の取り出し。ArduinoはUSB以外から給電する場合には7V以上をVinに入力してやる必要がある(USBで給電するなら特に必要はない)。また、マイコン系は5Vで動作するものや3.3Vで動作するものがある。その際には、12Vから希望の電圧を作ってやれば良い。

購入したのはこんな部品↓。最近のDCDCコンバータはとにかく小さい。そして安い。

使い方は簡単。12V安定化電源から電圧を入力し、調整ダイヤルで電圧調整するだけ。

12Vを入力した時、電圧調整ダイヤルは、初期状態から結構回さないと反応しない…でも、安定して8Vとか、5Vなど希望の電圧を出力することができた。

これで、家庭用電源から12V、およびそれ以下の電圧を作成することができた。

まとめ

車両の電装品や、自作の車用ガジェットの動作確認をするために必須と言っても良い「電源」。今回は、車両の電源を入力できる12Vを家庭用コンセント電源から作成する方法を紹介した。

今回紹介した電源

この記事をSNSでシェアする
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次