アメリカの自宅敷地内で車上荒らしにあった。ホンダユーザーへ注意喚起

私は安全なエリアに住んでいるつもりでいたが、自宅の敷地内で車上荒らしにあってしまった。車上荒らしがあることは聞いていたものの、実際に被害に遭うと気分は最悪だ。被害を受けた状況、被害に遭った後のアクション、被害に遭わないためにどういった対応が必要か、また、普段からどのような点に注意するべきかをまとめてみた。特に、ホンダユーザーは同じ手口で被害にあう可能性があるので、注意してほしい。

今、アメリカで車上荒らしにあったので、大至急、対応方法を知りたい!と検索してこのページにたどり着いた場合、以下を参考に。
1)まず安全確保。犯人が近くにいる場合、911に電話:”My car was broken into, and I feel unsafe. Please send the police” 自分と大切な人の安全を確保すること。
2)犯人がいない・けが人なしなら、車内に入ったり片付けたりする前に、窓ガラス、ドア、車内、盗まれた物の状況を写真撮影。 盗まれた物をリスト化。財布、カード、ID、パスポート、PC、携帯など。盗まれていたら、クレジットカード停止、銀行連絡、スマホ/PCの遠隔ロック、パスワード変更
3)地域の警察の非緊急番号またはオンラインレポート。 町の名前+PD(Police Department)やPoliceで検索して地元の警察にレポートする。レポートすると、保険申請に必要なPolice Report番号を取得できる。多くの地域で、仮番号を発行してくれるはずだ。
4)保険会社に連絡し、事故を報告し指示に従う。

目次

出勤しようと思ったら、なんだか車の様子がおかしい

朝、会社に向かうために、ガレージ前に停めていたリッジラインの鍵を開けようとしたところ、ドアノブの一部が取れていることを発見。「あれ?気が付かなかったけど、昨日行ったジムかどこかで当て逃げされたか?」と思ってチェックしてみると、何だか様子がおかしい。

防犯上、モザイク処理をしてあります

昨晩止めた時に施錠したはずの鍵が開いているし、センターコンソールに入れておいたティッシュボックスや、車内に窓拭き用のウェスが床に落ちている。グローブボックスにしまってあったレジストレーションや保険関係の書類も床に落ちている。

第一印象は、「あれ、もしかして、車上荒らしにあった??」という感じ。車上荒らしというと、窓ガラスを割って車内を荒らすというイメージがあったので、ドアノブ以外は目立った破損はなく、あまり実感が湧かなかった。

隣人に相談

被害状況を確認し、警察にどうやって説明しようかと思案していると、隣人が異変に気づいて声をかけてきてくれた。彼に状況を説明すると、「誰も怪我してないし、何か盗られていないなら、インターネットで通報するのが便利だよ。保険入っているなら、それを使うために通報番号が必要だし。ネットならすぐ通報番号取れるからね。警察は人的被害無いと動いてくれないんだよ、お気の毒だけど」的なことを言われたので、大人しくネット経由で通報することにした。自治体(city)によって違いはあるだろうから、個別で確認が必要だが、車上荒らしで人的被害がなく、また財産被害が少ない場合は、相対的に緊急性が低いと判断されるようだ。

まず被害を確認するために車両を見て回ったところ、外傷はドアノブと、ドアノブのキーシリンダーをこじ開けたと思われる際にできた傷のみ。車内は物色されたが、盗られている物はなし(車内に物を置かないことが車上荒らし対策になる。詳細は後述)。

防犯カメラ映像

隣人の自宅には、防犯カメラが設置されており、彼は、犯行が行われた際の録画を見つけ出し、親切にも該当するビデオクリップを共有してくれた。ビデオには、犯行の様子が割としっかり写っていた。車は、白の2019年モデルのAcura TLXっぽい。犯人は、ドライバ、盗み役、解錠役の3人組と思われる。

06秒:盗み役が乗ってきた車から降りて近づいてくる
10秒:鍵開け役が乗ってきた車から降りて近づいてくる
14秒:盗み役が敷地内(駐車場)に入る。ターゲット車両を確認
19秒:鍵開け役がターゲット車両に近づく
49秒:ターゲット車両が解錠されたためライト点灯
62秒:盗み役物色開始。鍵開け役は乗ってきた車に戻る
74秒:盗み役が乗ってきた車に戻る

犯人が私の家の敷地内に入ってから、犯行完了まで約60秒。メンフィスかお前は。

犯人グループの計画性を考察

近所で、同じ日に、同じ通り沿いの5件ほど先にあるRidgelineが被害を受けて、彼女は車内においていた財布が盗まれたそうだ。また、別の日にはCR-Vが同様の手口で鍵を開けられ、貴重品を盗まれる被害が発生しているということがわかった(ご近所ネットワークは大事)。

真っ先に思い当たったのが「この犯罪の手際の良さを考えると、絶対に下見や事前調査してるよな」ということ(まぁ、Gone in 60 Secondsの見過ぎかもしれないけど)。しかし、普段から何も貴重品を置かないウチの車両を狙い、結果として手ぶらで帰るということからも、もしかして、通りを流してHonda車を見つけたらとりあえず開けてみる、みたいな犯行かもしれないと思った。

ちなみに、別の日に、近くに住んで、Honda車に乗っている同僚も車上荒らしにあったようだ。やはりHonda車を狙った車上荒らしと見て間違いないだろう。

Honda車ってセキュリティーアラーム付いてるよね?

以前フリードで車中泊をした際に、内側のロックを手動で開けた際に、セキュリティーアラームを誤って鳴らしてしまった事がある。これは、ハードキー、リモコンキー、キーレスエントリー以外の方法で解錠したためだと思われる(その場合、キーレスエントリーでロック、もしくはロック解除してやればセキュリティーアラームは止まる)。

さて、今回の犯行で、Hondaのセキュリティーアラームは鳴動したのか?という疑問が残った。Hondaには、セキュリティーアラームがついている。このシステムは、鍵が開けられた際にホーンを断続的に鳴らしつつ、ライトが光るものである。今回、このシステムが作動した形跡がない。そこで、マニュアルを調べてみた。

Honda Ridgeline users manualより

やはり、ハードキー(内蔵キー)、リモコンキー、もしくはキーレスエントリー(スマートキーを持ってドアノブ引くと解錠されるやつ)でロック解除した場合は鳴らないとのこと。で、犯行映像を見てみると、解錠時にハザードが点滅していない。これは、リモコンキーおよびキーレスエントリーで解錠した形跡がないことを意味する。すなわち、リレーアタックなどの、いわゆるハイテク系アタックではない。ということは、車両は、”正規の”ハードキーでシリンダーが回されたことを検知したと思われる。すなわち、Honda車で、露出したキーシリンダーに対して「何かしらの方法」でキーシリンダーを壊して解錠し、純正のセキュリティアラームを解除できる可能性を示唆している(被害にあった車両は、2025年くらいまでの鍵穴が外に出ているタイプ)。

日本で売られている車両のマニュアルを確認してみたところ、N-Box系と、それ以外(Freed、Civicなど)では仕様が違うようだ。

Honda N-Box取扱説明書より抜粋
Honda Freed取扱説明書より抜粋

Freedでは、内蔵キーの記載はあるが、N-Boxでは内蔵キーの記載がない、ということは、N-Boxでは、内蔵キーで鍵を開けると、しばらくエンジンをONにしない限り、セキュリティーアラームが鳴る仕様になっているっぽい。

一方で、Freedは、内蔵キーを使って鍵を開けても、セキュリティーアラームは鳴らないようだ(今回のRidgelineのケースと同様)。

まあ、犯行時間が1分程度なので、アラームが鳴ったとしても、すでに犯人は逃げているだろう。ただ、同じ道路沿いにある他の車両は被害に遭わずに、Honda車両だけ、しかも5件隣でも被害にあったということは、おそらく犯人グループはHonda車でアラームを鳴らさずにドアを開ける方法を知っているということだ。アラームが鳴らないという確信があるから、5件ほど先にあるRidgelineを襲った後に私のRidgelineを襲ったのだろう。

Hondaのスマートエントリーシステムや、キーレスエントリーシステムは、リレーアタックでなければ、なかなか破れないはずだ。一方で、現在のHondaのセキュリティーシステムは、鍵をこじ開けられたシーンには弱点があることが想像できる。

同方のドアハンドル形状の場合、同じ手口で盗難される恐れがあると認識しておくべきだろう。下記はredditの参考記事。

ハードキー(内蔵キー)で解錠された際に一定時間経過してもドアが閉まらない、もしくはエンジンがかからない場合は、セキュリティアラーム作動するという仕様をカスタムできるようにして欲しかった(N-BOX仕様とCIVIC仕様を設定できるように)。おそらく、デフォルトでこの仕様にすると大量のクレームが発生するだろうから。

Pilotは、ハードキー(内蔵鍵穴が外から見えないようになっているので、多少はセキュリティに貢献しているのかもしれない(し、していないかもしれないw)。

車上荒らし対策を考えてみる

今回得られた考察と教訓から、車上荒らし対策を考えてみた。これは、近年なかなか物騒になってきている日本でも適用できる対応だろう。考えてみた対応策の基本的な考え方としては、
1)犯人に見つかる確率を下げる
2)犯人の苦労の割に、リターンが少ないと思わせる
3)被害に遭った場合の損失を最小化する
の3つに分類されるだろう。

1)犯人に見つかる確率を下げる

「車上荒らしに遭わないように最善を尽くし、これで車上荒らしにあったら、もうしょうがないよね、諦めるしかない」という対策として挙げられるのは、ガレージ内に保管し、ドアを施錠する状態だろう。そもそも、ガレージ内に停めておけば、犯人は、ターゲットの車を見つけ、ガレージを突破して、かつ、鍵をこじ開ける必要がある。もちろん、費用対効果などを考えると、全員が取れる対策ではないのは当然であり、リスク許容度と費用対効果を踏まえた議論はいくらでもあるので、そちらを参照いただければ良いだろう。

駐車する地域の治安や生活様式によって異なるかもしれないが、基本的には、深夜などの時間帯を狙って犯行が行われる。なので、以下の対策が有効だろう。

  • 夜間や長時間の路上駐車を避ける
  • 人通りの少ない場所、死角の多い場所に停めない
  • 車内にバッグ、財布、PC、買い物袋などを置かない
  • 同じ場所に長時間停め続けない
  • 管理された駐車場を使う

2)犯人の苦労の割に、リターンが少ないと思わせる

それでは、被害に遭う確率を減らすにはどうしたらよいか。一般的には、「犯人に見つかる確率を下げる」もしくは、「犯人にとって、割に合わない状況を作る」ことが考えられる。

  • 外付けのセキュリティーアラームを設置する
  • セキュリティーカメラで録画していることを見せる
  • 明るい街灯、防犯灯、店舗前などに停める
  • ドライブレコーダーや監視中ステッカーを見える位置に置く
  • 近くに他の車や人の目がある場所を選ぶ
  • 窓ガラス越しに「何もない」と分かる状態にする(今回これでも荒らされたが)

3)被害に遭った場合の損失を最小化する

万が一、被害にあったとしても、その被害が軽微であれば、まだ救われる。そのために、

  • 車内に貴重品を置かない
  • PC、財布、パスポート、家の鍵などは車に残さない
  • 車両保険・レンタカー補償の内容を確認しておく
  • ドライブレコーダーやカメラ映像を残せるようにしておく
  • 車の登録証・個人情報が分かる書類を車内に置きっぱなしにしない
  • 事前に被害時にすぐ警察・保険会社へ連絡できるようにしておく
  • 事前にガラス修理やレッカーの連絡先を控えておく

等があるだろう。車内に物を置くとターゲットになりかねないことについては、アメリカでの一般常識として教えられる。私は幸いにも何も盗られなかった。

恐怖を感じた

不幸中の幸いであるが、今回の件、おそらく犯人の目的が車上荒らしだったので助かったが、もし犯人の目的が住居侵入を伴う強盗だったらと思うと、震え上がる恐怖を感じた。被害にあった車内にガレージのリモコンが置いてあったのだ。

敷地内のドライブウェイに駐車中の車両から、ガレージのリモコンキーを奪い、ガレージを開ける。一般的なアメリカのガレージは、室内につながっているし、そのドアに鍵を掛ける人はいないだろう。もし、今回の犯人の目的が強盗なら一発アウト。侵入されていただろう。

道路沿いに車両を停める場合、ガレージのリモコンキーを車内に入れたままにしてはならない。

その後

保険屋さんに連絡して、修理工場を手配してもらい、車を修理。総額で$2,200(1ドル160円換算で約35万円)だったが、保険でカバーされたのが不幸中の幸い。

ただし、なんの対策もできないので、また同じ手口で壊される可能性はある。。。

まとめ

今回の車上荒らしは、窓ガラスを割られるような派手な被害ではなかったものの、ドアのキーシリンダーを狙って短時間で解錠されるという、かなり手慣れた犯行だった。幸い、車内に貴重品を置いていなかったため盗難被害はなかったが、同じ通り沿いのHonda車も被害に遭っており、特定の車種や構造を理解したうえで狙っている可能性も感じられた。

今回の経験から言えるのは、車上荒らし対策は「絶対に防ぐ」よりも、犯人に見つかる確率を下げ、犯人にとって割に合わない状況を作り、万が一被害に遭っても損失を小さくすることが大事だということだ。特に、車内に財布、PC、パスポート、家の鍵、ガレージのリモコンなどを置かないことは徹底したい。車上荒らしは単なる車内物色で終わるとは限らず、場合によっては住居侵入につながるリスクもある。

そもそも、今回の事件は、Honda車の特定の年代の弱点を突いて車上荒らしをしているため、アメリカのみならず日本でも発生する可能性がある。改めて自分の駐車環境と車内を見直して欲しい。

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