オイル交換にも、足回りを整備するためにも、ジャッキアップは基本となる。S660のジャッキアップには、いくつかの方法がある。ジャッキアップポイントにガレージジャッキを使う方法と、リフトポイントに油圧パンタジャッキ(シザーズジャッキ)を使う方法を紹介。
何れにせよ、リフト以外でジャッキアップ後は、ウマをかませ、もしくは、またはかつ、タイヤをボディの間に挟んでい置くなど、落下時の被害が最悪、車両だけで済むような策をとっておく必要がある。
お約束:ジャッキアップには危険が伴います。最悪、死亡事故に至ったり、大事なお車を破損させてしまう可能性があります。当サイトに掲載された情報により生じた損害等につきまして、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
リフトポイントを利用する方法
取り扱い説明書にも記載されている。取扱説明書では、「ジャッキポイント」とあるが、「リフトポイント」かな?二柱リフトや車載工具ジャッキを使う場合に用いる場所。
二柱リフトがご自宅にあるという方(あんまりいないと思う)や、ディーラーなどでは、ここにリフトアームをかませる方法が一般的。
また、タイヤ交換だけを行うときなど、リアのリフトポイントを上げ、左右どちらか側の前後輪を一気に交換するときには便利かも、と思い、試しにやってみた。使ったのは、車両付属のパンタジャッキと同形状で、油圧で操作が簡単な、KYB製シザースジャッキ(ご存知の方はマニアですね)。今は廃盤となっており、同様の製品が「マサダ製作所」というところから出ているそう。
こいつを、リア側のリフトポイントにかけて、上げてやると前輪も同時に浮く。よく、サーキットで急ぎでタイヤ交換するときに使う手法。交換したい側の前輪、後輪のホイールナット全部緩めといて、重心が重い側(エンジンが有る側=S660はリア)のリフトポイントをジャッキアップして、交換する。
一方、ガレージジャッキや車両付属のパンタジャッキでジャッキアップする場合、ここを使うとジャッキアップ後にウマを掛けることができず、車の下に潜る作業はできない。
ジャッキアップポイントを利用する方法
車の下に潜る作業をする場合、ウマを掛ける必要がある。そこで、S660をガレージジャッキを使ってリフトアップしてウマに乗せる方法を記載。S660は後輪駆動なので、サイドブレーキをかけ、ギアを1速orリバースに入れて、輪止めをして、フロント側から持ち上げる。
ジャッキアップポイントはフロント側は↓ここ(ナンバープレートのすぐ下にある)。
ここにガレージジャッキのリフトを当てて、ジャッキアップする。
ガレージジャッキの選び方については↓を参照。
フロントのジャッキアップポイントでジャッキアップする。ロングアームにもかかわらず、アームがうまく逃げている!
フロントを上げたらウマをかけ今度はリア側。リアのジャッキアップポイントは下図の通り
なんか変な形。奥にある青くマーキングされたボルトは触りたくない。そこで「アイスホッケーのパック」を使う(987ボクスターでジャッキアップするときに購入した)。ウリ文句は「優れた平面度、硬度、そして滑らかな表面」。ほう、良さそうじゃないか(笑)
これ、重いものの間に挟むのに丁度いい硬さ。アイスホッケーパックを、ジャッキの間に挟んでジャッキアップする↓
ジャッキアップしたら、ウマに着地させる。
これで、下回りの整備ができる状態になります。
無事、ウマに乗りました。使ったウマは、アストロプロダクツ2PC 低床リジットラック 3t。車高が低いクルマやDIYでリフトする場合、使用するジャッキが小型だと、ジャッキアップできる高さに制限がある場合がある。大きなジャッキで高くジャッキアップできるのなら良いが、そうでないなら低床タイプがオススメ。セールのときに売ってた黒色を購入した。
ちなみに、↓の写真奥にあるウマはずっと昔から使っているやつ。こちらでも作業可能。
最低高が320[mm]~のものだと、ジャッキでリフトしなければならない高さが高くなってしまうのでDIYではちょっと使いづらい(この場合、大は小を兼ねない)。
何れにせよ、リフトや大きなガレージジャッキがない場合、リジッドラック(ウマ)は250[mm]~400[mm]くらいの高さなものを選べば、DIYではちょうどいいと思う。例えば↓のようなやつ。
ウマに乗ったので、次はオイル交換。
ジャッキアップツールの作成
ここから先は、上で紹介したアイスホッケーパックを使って車両に取り付けるツールを作る。ジャッキアップのときにツールボックスからパックを取り出してジャッキに乗せる手間をなくすため、車体側に取り付け。
ドリルで中心に穴開けし、M12のボルトが通るように加工。
次に、ホールソーで一回り大きな穴を途中まで開ける
↓のような形状になる。M12のフランジボルト 首下25[mm]を使った。これで、S660のジャッキアップポイントのネジ穴にちょうど入る
裏面に外径32mm・内径14mm・厚さ2mmのワッシャを挟んで車両に取り付ける。
↓車両に取り付けた。ジャッキアップの際に、ホッケーパックにそのままジャッキを当てれば良いので楽。
しかし、アイスホッケーパック分だけ、路面にヒットしやすくなる。車高を落とした車両などでは、ここが当たりやすくなると思うので注意が必要。私の場合は、車高はそれほど下げる気は無いのと、サーキットでは外す前提で、整備性向上のメリットが大きいので普段は取り付けている。
コメント
コメント一覧 (2件)
失礼します。
リアのジャッキアップポイントは写真の黒いネジ山が切ってあるボルトということですね?
そのままジャッキかけたら、潰れそうで怖いですね
コメントありがとうございます。
黒いナットの部分のようです。私は、ジャッキの受け皿があたって、青くマーキングされたボルトの頭をつぶしてしまうのが怖くてゴムを挟んで対応しています。