色々と悩んだ末にたどり着いたSPOONのN1マフラー。DIYでの交換を実施したのでその作業手順をまとめた。S660のマフラー交換の際にはリアバンパーを取り外すのが常道となっている。しかし、リアバンパーを取り外す際にバンパーのツメを欠損してしまう恐れがある。ツメが折れると精神的にヘコむので、今回はリアバンパーを外さずに、リアバンパー下部のロアガーニッシュを取り外す方法で交換してみた。ちょっとひと手間かかる程度なので、マフラー交換であれば、この方法でやっても損はない。
マフラー到着&開封
スプーンのN1マフラーを装着する。
丁寧に梱包されていた。フロントパイプとマフラー本体。どうでも良いが4.2才って何のこと?と思って調べたら年齢ではなく1辺30.3cm四方の箱を1才と言うようだ。丁寧に梱包されていた。
マフラー選びの記事はこちら。
造りのシンプルさと軽さ、音量のバランスが取れたマフラー。
リアバンパロアガーニッシュの取り外し
冒頭でも述べたが、リアバンパーのツメは折れやすい。また、テールランプへの傷のリスクなどもある。そこで、リアバンパーそのものではなくリアバンパーロアガーニッシュを取り外す方法を選択した。流石にロアガーニッシュを取り外さないとセンターパイプとサイレンサーを繋ぐジョイントボルトを外す際の作業性が悪いし、ハンガーへのアクセスも難しそうだ。私のS660は走行距離が6,000km程度なので問題なかったが、走行距離が多い車両ではマフラーのジョイントボルトがサビて固着していることも想定される。これが舐めたりすると取り外しがとても面倒なので、作業スペースを確保する上でも、今回の方法はオススメ。
ロアガーニッシュとは
ロアガーニッシュとは↓の赤い枠で囲った部分。コイツだけを取り外してやれば、バンパーそのものを取り外さなくても作業ができる。
以下、作業手順を紹介する。
ジャッキアップ&タイヤ取り外し
まずジャッキアップしてウマに載せる。ジャッキアップ手順は以下を参照。
次の工程でリアのインナーフェンダーを外す作業の邪魔にならないように、リアタイヤを外しておく。水平の方が作業しやすいと思ったので、前後ともジャッキアップ。
リアのインナーフェンダーを一部剥がす
まず、ナンバープレートを外し、ナンバープレート裏側にある2つのクリップを取り外す。
このクリップは細めのクリップリムーバーで中心のビスを浮かせて取る(下図)。クリップリムーバーを使うと、クリップを傷つけずに外せるが、このときは細いリムーバーを持っていなかったのと、今後それほど外す場所でもないので、でマイナスドライバーで代用。
続いて、インナーフェンダーのクリップを取り外す。クリップは10箇所。そのうち2箇所は、上の図の通りの方法で取り外すタイプ。
外すクリップは↓写真の○部分(1箇所、破線の箇所はバンパー下から外す)。
残りは、逆にマイナスドライバーでこじると傷がついて再利用する時に緩くなってしまう。クリップ剥がしツールを使うことで綺麗に取り外す事ができる。
クリップをすべて取り外すと、インナーフェンダーが捲れる。
プラスネジとクリップとを外し、サイドのツメを外す
プラスネジとクリップがあるので外す。
次に、黒い部分がツメに引っかかって止まっているので、↓写真の矢印の方向に黒い部分を軽く押し込んでツメから外す。
ちょっと手が入りづらいが、奥のツメ2箇所も同様。
ここまで反対側も同様に作業する。
ガーニッシュ上部を分離のツメを外す
最後に、バンパーとロアガーニッシュを止めているメインのツメを外す。バンパーに4箇所のツメで止っている。
バンパー裏から手を入れて、ロアガーニッシュ側の出っ張りを上に押すと簡単に外れる。コツが掴めれば簡単だが、慣れてない場合は破損に気をつけて慎重に。仕組みは↓図の通り。形状が理解できると外しやすい。
ロアガーニッシュを外すと、こんな感じになる。
続いて、遮熱板を外す。
遮熱板の取り外し
クリップで3箇所止っているだけなのだが、向かって一番右側の1箇所(下図破線)は手が入らない。なので先に外せる2箇所を外しておく。
遮熱板は薄いし、止めているクリップも樹脂製。曲がらない程度の力でそっと押し込んでやると手が入る。
遮熱板を外すと、やっとマフラーにアクセスできる。ここまでの作業の方が正直メンドクサかった。
これで、サイレンサー側のボルトにアクセスできるようになった。
純正マフラーの取り外し
マフラーを取り外していく。まずは下準備。
潤滑剤の塗布
まずはボルト部分にラスペネを吹く。熱や水、塩カルにさらされているので、走行距離が短いとは言え固着気味。ラスペネは固着したネジに浸透し、ネジを緩めやすくしてくれる。絶対にナメたくないこういった部分には必ず使用する。
続いて、マフラーハンガーにシリコンスプレーを塗布。シリコンスプレーはゴムを傷めないのでこういった箇所に使用できる。中性洗剤でも代用可だが、浸透させるのが難しいのでスプレーが楽。3箇所あるので、全てのマフラーハンガーとステーの間にスプレーしておく。
スプレーが浸透するのを待って、取り外し作業を開始。
センターパイプの取り外し
純正マフラーもセンターパイプと、その後ろのサイレンサー部分に分かれている。まずはセンターパイプを取り外すのが楽。
センターパイプの触媒側のボルトを緩める。外してしまうとブラブラ落ちてしまうので、緩めるだけ。触媒側の球面ガスケットは再使用するので、傷をつけないため、ボルトを左右均等に緩めていく。
こんな時便利なのがこのツールの組み合わせ。力をかけたい時も、素早く回したい時も、ラチェットアダプターとスライドハンドルがあると楽に作業できる。
触媒側のフレキシブルガスケットはまだ使えそう。再利用するので触っちゃダメ。
センターパイプの触媒側のネジを緩めたら、今度はサイレンサー側のネジを緩める。こちらも左右均等に緩めていく。
ネジを外すと、センターパイプが降りてくるので、予めジャッキなどで支えながら行うと安全。私は「束(つか)」という建築用の工具(床を支えるやつ)を使った台座で支えた。ブレーキオーバーホールの時のにキャリパーを置く台として自作したもの。
これでセンターパイプが外れる。N1マフラーのセンターパイプの比較してみた。N1マフラーの方が一回り太い。
サイレンサーの取り外し
続いて、純正サイレンサーを取り外す。マフラーハンガー3箇所で止っているため、それぞれ引っこ抜く。シリコンスプレーを塗布した後であれば、下からジャッキで少し押し上げながら作業すると、割とすんなり抜けるはずだ。
マフラーハンガーは、新しいマフラーでも使用する。マフラー側に残るように取り外しておくと、移植が楽。逆組できてしまうので、写真を撮っておくと良いだろう。
N1マフラーの装着
マフラーハンガーの移植
N1マフラーのサイレンサー側にマフラーハンガーを移植。
移植が完了したら、まずはサイレンサーから車体に取り付ける。元あったハンガーステーに取り付けるだけなので簡単。車体やマフラーを接触させないように気を使おう。
取り付けボルトへスレッドコンパウンドの塗布
マフラーのボルトは、高温になり、固着してしまう可能性が高い。そこで、Wako’sのスレッドコンパウンドをネジ部分に塗布しておくと、焼き付き防止し、次にマフラーを外す時にもすんなり外すことができる。
サイレンサー側のボルトも同様。これで次回の作業が格段に楽になる。
センターパイプを取り付け
まず、センターパイプを仮組みしてみる。触媒側は純正のガスケットを再利用するので傷がつかないよう慎重に。
サイレンサー側はN1マフラーに付属のガスケットを使用する。サイレンサー側はちょっと手が入りづらい。
ボルトの締結トルクは、触媒側、サイレンサー側どちらも22N・mで締めればマフラー取り付け作業完了。遮熱板を取り付け、マフラーの出口が車両の中心に来ていることを確認。
この段階で、エンジンを掛けて2,500rpmを維持し、つなぎ目部分に手を当てて、パイプのつなぎ目から排気漏れが無いことを確認する(今回は作業が深夜だったので、バンパーまで一度組んだ上で翌日に確認した)。高温になっているのでマフラーには触れないように注意。排気漏れがないことが確認できたら、後は逆の手順で組み戻す。
完成
200km程走行し、排気漏れがないことを再度確認して完了。軽く峠道を走ってみたが、車検対応のジェントルな音量。でも、しっかりと排気音が強調されている。エンジンを回すとテンションが上がる車になった。
純正マフラーとの比較は以下の動画。
マフラー選びに関する記事はこちら
まとめ
S660にSPOONのN1マフラーを装着した。今回はツメが折れやすいリアバンパーを外さず、リアバンパーガーニッシュのみを取り外しての交換。慣れれば1.5時間もあれば交換できそうだ。構造がシンプルなマフラーなので取り付けにも特に苦労なく、またセンター合わせも何もしなくてもほぼ中心だったので設計制度は高いのだろうと思われる。N1マフラーは他のマフラーに比べて軽量でシンプル。作業しやすいため、オススメできる。
マフラー選択の記事はこちら。
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