7月。現在私が住んでいるカリフォルニアは、日本と違い「乾季」となる。雨はほぼ降らないし、天気も安定している。特に海沿いから少し内陸に入ると、夜空が一気に暗くなる場所もある。せっかくアメリカに来たのだから、カリフォルニアの空で天の川を見てみたい。そう思って、かねてより機会があれば行こうと思っていた「天の川を見るためのドライブ」に行ってみた。
今回は、Honda Ridgelineで夜のカリフォルニアを走り、天の川を写真にも収めることができた。なお、私は写真撮影についてはほぼ初心者である。星の写真は日本でも数回、カメラについてくるセットのレンズで撮ったことがある程度。アメリカに来て星空を撮りに行くのは今回が2回目。この記事では、カリフォルニアで天の川を見に行った体験と、今回新調したカメラ機材、撮影設定、初心者なりに意識した撮り方を記録しておく。
日本で使っていたEOS Kiss X2と主な使い道
日本にいたころも、星の写真を撮ることはあった。当時使っていたのは、2008年に買ったCanon EOS Kiss X2。メインの使用用途は、ズームレンズを付けて、レースの流し撮りで、よく妻に流し撮りしてもらっていた(妻は学生の時からカメラと天体観測が趣味)。


私も、特にサーキットや峠で流し撮りをすることもあった。下の写真はだいぶ昔に妻のライディングを撮ったもの。

以前の記事でも、秋の夜にオープンカーで走り、星空を眺める話を書いた。カメラを持って峠を走って、空を見上げて写真を取るのは昔から好きだったが、カメラにセットでついてくる暗いレンズだったのであまり良い出来栄えではない。


アメリカに来て、カメラ機材を新調してみた
今まで、2008年に買ったCanonのEOS Kiss2を使い続けていた。もう、18年以上使い続けていて、素子にもところどころ欠けが出てきている。

そこで、ついにカメラを新調することにした。2026年3月に購入したのが、Canon EOS R50である。

背面に大きな液晶画面がついていて、これのおかげで、星景写真を撮る時に問題となる、暗闇でのピント合わせとか、画像の確認やカメラ設定が格段に楽になった。

フルサイズカメラも考えたが、本格的に写真を趣味とするわけではないので、私たちの使い方でいうとAPS-Cで十分との結論に至った(価格差を旅費やレンズなどに充てるほうが効率が良いと思った)。

私はずっとCanonユーザーだったので、EFおよびEF-Sレンズを持っており、アダプターを使えば今まで使っていたそれらのレンズを使い回せるのもメリットだった。
ついでに、星を撮影するための明るい広角レンズの購入許可がでたので、今回は、費用を抑えつつ、TTArtisanというメーカーのF2というそれなりに明るいマニュアルフォーカスレンズを購入してみた。ほんとはオートフォーカスが欲しかったが、価格が安いのと、星の撮影では、カメラの液晶画面でピントが合わせられるので、これでも良いと判断した。もちろん、昼間の撮影では、ファインダーを覗きながらマニュアルフォーカスでの撮影を楽しむ事もできる。
7月のカリフォルニアは星空ドライブに向いている
日本の7月といえば、梅雨明け前後で湿度も高く、天気も不安定になりやすい。夜でも蒸し暑く、空も霞みやすい。一方で、カリフォルニアの夏は乾季である。雨はほとんど降らない。日中はかなり暑くなることもあるが、夜は湿度が低く、空気がからっとしている。海沿いは霧が出ることもあるが、内陸に向かえば天気が安定している場所も多い。
星を見るには、かなりありがたい環境だと思う。もちろん、街中では明るすぎて天の川は見えにくい。それでも、街明かりから離れた場所に出れば、光が少なく、天体写真に適切な場所に行くことができる。
今回の目的地は、ピナクルズ国立公園
出発前にYouTubeで星空を綺麗に撮る方法を復習。動画を見て何度も設定を覚えた程度だが、それでも、暗い空と最低限の設定がそろえば、初心者でもここまで天の川が写るのかと驚いた。ピナクルズ国立公園は、サンノゼから南東方向にある国立公園で、岩山やトレイルで知られている場所だ。

夜の道を走っていると、街の明かりが少しずつ減っていく。住宅地の明かりがなくなり、道路沿いの灯りも少なくなる。車のヘッドライト以外に目立つ光がなくなってくると、空の暗さが変わってきたのがわかる。
Ridgelineでこういう場所へ行くのは、かなり楽しい。舗装路を普通に走るだけなら、特別なオフロード性能が必要というわけではない。それでも、荷物を積めて、安心して夜道を走れて、少し荒れた場所にも気を使いすぎず入っていける車は心強い。星を見るためのドライブとピックアップトラックは、思った以上に相性が良かった。この記事にもあるように、意外とステアリングフィールもよく、運転していて楽しい。

トランクに椅子を積み、コーヒーを持って出かける。ベッド(荷台)に寝転ぶ事もできる。

目的地のピナクルズ国立公園に到着すると、辺りには光りもなく、見上げると南の空に、天の川のGalactic Centerが肉眼でもうっすら確認できた。
夏の天の川はGalactic Centerが見える季節
天の川は一年中同じように見えるわけではない。夏の天の川が特に見応えがあるのは、Galactic Center、つまり銀河の中心方向が見える季節だからである。写真でよく見る、濃くて明るい天の川の中心部分。あれが見えると、空の迫力が一気に変わる。
現地で空を見上げると、街中では見えない数の星が見えた。そして、南の空に向かって、肉眼で天の川が確認できた。車を停めて、三脚を立てて、カメラをセットする。

綺麗に天の川を写真に収めることができた。なお、カリフォルニア以外では、家族旅行で行ったモニュメントバレーで撮った写真も素晴らしかった。

実際の撮り方
今回意識したことは、それほど多くない。まず、三脚でカメラを固定。星空撮影では、シャッタースピードを長くする必要がある。手持ちでは当然ぶれるので、三脚は必須。次に、撮影モードをマニュアルにして、レンズのダイヤルでF値をF2.4に設定。シャッタースピードは10秒にした。
長くすれば星の光は多く入るが、長すぎると星が点ではなく線のように流れてしまう。今回はまず扱いやすそうな10秒にした。ISOは2000にした。ISOを上げれば明るく写るが、上げすぎるとノイズも増える。今回は現地で何枚か確認しながら、ISO2000で撮った。
空の色を出すためのポイントは、色温度で、私は3800Kにした。5000Kだと、少し赤みがかった色になるので、好みだが私は青色を強調する設定とした。

オートホワイトバランスでも撮れるのかもしれないが、夜空が不自然に黄色っぽくならないように、少し低めの色温度にした。写真初心者の私がやったことは、基本的にはこれくらいである。それでも、カリフォルニアの暗い空の下では、天の川をかなりはっきり写すことができた。
なお、このページに投稿されている星の写真は、フリーソフトGimpでリタッチ(色温度や明るさの調整)をしている。もちろん、普段から星の写真を撮っている人からすれば、いろいろ言いたいことは当然あるだろうが、まぁ車好きの写真素人が、ほとんど初めて撮った星景写真ということでお付き合いいただければ幸いだ。
実際の撮影設定
今回の写真は、以下の設定で撮影した。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| カメラ | Canon EOS R50 |
| レンズ | TTArtisan APS-C 10mm F2 |
| F値 | F2.4 |
| シャッタースピード | 10秒~20秒 |
| ISO | 2000 |
| 色温度 | 3800K |
| 露出補正 | 0 |
| 測光モード | パターン |
| フラッシュ | なし |
| フォーカス | マニュアルフォーカス |
この設定が星景写真として正解だと言いたいわけではない。私は写真についてはほぼ初心者である。星の写真は日本でも撮っていたが、アメリカに来てから星空を撮りに行くのは今回が2回目だった。
だから、これはあくまで「初心者が実際に試して、天の川が写った設定」の記録である。とりあえず、F2.0、10秒、ISO2000、色温度3800Kという設定ができれば、それなりの写真が撮れてしまうのが技術進化を感じる。
実際に使ったカメラ機材
今回使った機材は以下の通りである。かなり本格的に星空撮影に挑むとすると、機材なども考えなければならないし、難しそうに見える。しかし、私のようにまずは暗い場所に車で走り、空を見上げて、入門用のカメラを空に向けてみるだけでも十分に楽しい。星空ドライブは、想像以上に良い体験だった。
今回使用したCanon EOS R50は、2026年3月に購入したミラーレスカメラである。私はRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMのキットレンズ付きで購入した。
星空や天の川を撮るには、できるだけ広く写せて、できるだけ明るいレンズが欲しい。レンズキットについているレンズ F4.5だと暗くて、星の写真には向かない。そこで今回使ったのが、TTArtisan APS-C 10mm F2 RF Mountである。
10mmの広角なので、空を広く入れやすいし、車も入る。さらにF2.0なので明るく、星空と景色の撮影にぴったりだと思う。私は、写真初心者なので、今のところ高級な星景写真用レンズを買うつもりはない。まずは入門用で明るく(F値が小さい)て広角、かつ安価なレンズを選んだ、という感じ。ASP-Cに適用するので焦点距離は1.6倍になるが、それでも十分広角だ。
このレンズはマニュアルフォーカスなので、オートフォーカスは使えない。ただ、星空撮影ではオートフォーカスが効きにくいことも多いし、EOS R50の液晶画面でピント合わせをするので問題なし。
あとは、昔から使っていた安価なカメラ用三脚。こんな感じの安いやつで十分。
なお、EOS R50はスマホとBluetooth接続して、スマホがリモコンになるので、レリーズは不要。
まとめ
カリフォルニアの7月は乾季で、星空観察にはかなり向いている。今回はピナクルズ国立公園方面まで車で走り、肉眼で天の川を見ることができた。さらに、Canon EOS R50とTTArtisan 10mm F2を使って、写真にも天の川を収めることができた。
私は、夜峠をドライブして、星の写真や夜景の写真を撮るということをしてきたが、クルマとの趣味の相性はいいかもしれない。峠道を気持ちよく走り、写真を撮る(当然、騒音や、他の天体観測者への光害には注意しましょう)。私は写真初心者だが、それでも暗い空を選んでドライブすれば、美しい天の川を撮ることができた。

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