987ボクスター DIYで冷却水漏れ修理(ウォーターポンプ交換、ホース交換)

目次

冷却水漏れの発見

以前、エンジンルームのチェックをした際に、冷却水の滲みを発見。ホースの継ぎ目と、ウォーターポンプの継ぎ目から漏れているようなので、修理。

ウォーターポンプのネジ周辺に、漏れた冷却水が蒸発した跡を発見。

ウォーターポンプ下部

フロントにあるラジエータにつながるホースのつなぎ目からも、冷却水漏れがある。走行後、ポタポタと漏れてきている。これは早く直さねばなるまい

ラジエータにつながるホースのつなぎ目から

ドライブベルトの取り外し

まずはベルトの取り外し。写真の赤マルの部分に24[mm]のメガネかけて、時計回りに回してやると、ベルトが外れ、、、、ない。ナットが供回りしている・・・・裏から16[mm]のスパナをねじ込んで、固定して外す。幸先悪いスタート。

テンショナーのナット

外したベルトは、それほど傷んで無さそう。ベルトにPORSCHEって書いてある。

純正部番:PORSCHE 996.1.2.151.66

ベルトがどこを通っていたかは、覚えておかないとおそらく復旧できないので、写真を撮っておく↓

ベルトの通り道を保存しておきましょう

今回は、予防整備を兼ねて、ドライブベルト、プーリー一式、ウォーターポンプ、サーモスタット、ウォーターホース類を交換する。

冷却水排出

トランクと、エンジンルーム内にある冷却水注入口と、エンジンルームにあるエア抜きピンを立てておく

トランクの冷却水注入口をオープン
エンジンルーム側の注入口を開けるの、エア抜きピンを立てておく

この車種はドレンがない。。。マジか。ホースを引っこ抜く

どばーーー

大量の冷却水を受けるために、タライを購入。冷却水交換のときには大きなタライがあるとホントに便利。クーラントを入れる時にエアが噛むので、最低でも抜けた量と同じ量を補充するため、「どれくらい抜けたか」を計測しておく事が必要なので、全量を溜めておけることが条件。そのままポイパックなどに捨ててしまうと、クーラントを補充する時にどれくらい入ればOKかどうか分からなくて不安になることを防止できる。

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ホースは再利用しないので、ナイフで切ってしまうのが良かったかも。今回は、接合部からホースを取り外し。

購入した部品リスト

以下部品をPelicanPartsにて、手配。

Part NumberDescriptionPriceQuantitySubtotal
000-043-305-75-M100Kit PEL-WPBK987-01N: Coolant / Antifreeze – 1 Gallon (Pink G40),$39.694$158.76
900-378-013-01-M100Kit PEL-WPBK987-01N: Water Pump Bolt (6 X 25 mm),$0.965$4.80
900-378-177-01-M100Kit PEL-WPBK987-01N: Water Pump Bolt (6 X 30 mm),$0.962$1.92
987-106-501-07-OEMWater Hose, Supply,$37.341$37.34
987-106-502-04-OEMWater Hose, Return Line,$37.341$37.34
996-102-151-66-OEMKit PEL-WPBK987-01N: A/C Poly-Rib-Belt, 6K x 2115,$49.751$49.75
996-106-013-61-M902Kit 997-1-WPTKIT-02: Thermostat with Cover and Gasket,$69.251$69.25
996-106-212-11-M100Water Hose,$17.881$17.88
996-106-222-17-M100Water Hose to Water Pump (3-Way Hose),$33.841$33.84
997-102-117-00-OEMDrive Belt Tension Roller (on tensioner lever),$142.501$142.50
997-102-118-00-OEMDrive Belt Idle Roller (on Engine Console) (Upper),$137.251$137.25
997-102-119-00-OEMDrive Belt Idle Roller (on Engine Case) (Lower),$137.251$137.25
997-106-340-00-M30Kit PEL-WPBK987-01N: Water Pump Gasket$6.751$6.75
997-106-551-03-OEMConnecting Sleeve,$27.642$55.28
997-106-011-06-M244Kit PEL-WPBK987-01N: Water Pump,$226.791$226.79
 total   $1,116.70
今回のオーダーリストのトータル12万円(時価)位・・・ポルシェセンターだと、部品代と工賃で、一体いくらかかるの???怖

部品代金節約のため、ところどころ、純正品ではないパーツを使っている。また、今回は、ウォーターポンプキットに付属していたので、ウォーターポンプガスケット(997-106-340-00-M30)は要らなかった。また、冷却水(000-043-305-75-M100)は、作業失敗時に備えて4ガロン手配した。通常の交換であれば、2ガロンでOK。余った2ガロンは次回用に保管。

発注したのは7月末だったが、
1)クレジットカード会社に怪しい取引だとみなされてカード弾かれたこと
2)そのことがこちらに伝わるのが遅れたこと、クレジットカード会社への連絡対応に時間がかかったこと
3)オーダーした部品の一部が東海岸にあり、西海岸までの物流が一時的に止まっていたこと
等により、4週間ほどかかって到着。PelicanPartsのwebのお客様問い合わせフォームからのやり取りにて、何とか問題解決(・・・とてもではないが、顔が見えず英語でまくしたてられる、かつ料金がかかるコールセンターに国際電話をかける勇気はなかった。web問い合わせフォームのやり取りがすごく親切だった)。送られてきた荷物に書いてあったPelicanPartsの住所が、アメリカ出張に行くたびに食事や買い物でよく通ってた場所だったので、親近感。Google Street Viewで見ても楽しそうな場所だった。新型コロナウィルスが収まったら、是非直接行ってみたい。

ウォーターホースの取り外し

ウォーターホースを留めているクリップをバイスグリップでつまみ、クリップが開いた状態を保持しながらずらす。次に、ホースを引っこ抜く。交換するからホースはどうでもいいけど、パイプ側を傷つけると非常に面倒なので慎重に。抜けない場合は、カッターでちょこっと切れ目を入れて、破るとよい。

ペンチ等だと、保持できず辛いかも。バイスグリップで。

注文した部品リストのホースを全部とっかえ。漏れていたホースの接合部↓。旧ホースは、ゴムパッキンがヘタってそこから漏れている感じだった。

左が冷却液漏れがあったホースの接合部。右は新品。

サーモスタットおよびウォーターポンプの交換

サーモスタット・ウォーターポンプともに、ネジを緩めるだけで外れる。↓はサーモスタットを外したところ

エキマニ、邪魔!

サーモスタットは、71℃のものが売っていたので今回そっちを適用。

サーモスタット。左が71℃品(お湯につけて検証、してないけど、オマエのこと、信じていいよね・・・・?)

ウォーターポンプは、社外品、といっても、特に純正と変わらない見た目。止めているネジのうち、2本だけネジ長さが違うので、位置をマーキングしておくのが良い。

下が新品。古いウォポンも、軸へたり等はなかったように思える。(前オーナーが、交換したのかな??)

ついた!の図。締め付けトルクは10Nm

ウォーターポンプ。トルクチェックしたらマークするのは、癖です。

サーモスタットハウジング、ウォーターポンプを取り付け完了!金属ガスケットついているにもかかわらず、液体ガスケット軽く塗布してるんだけど、やってよかったのだろうか?まぁ、いいでしょ。

サーモスタット&ウォーターポンプ交換完了

プーリー交換

今回交換するプーリーのうち、水色で囲ったやつのネジが外れない・・・・ということで

これ、定期交換部品だよね・・・・?もうちょっと整備性よくならんのか。

ジェネレータのボルトを外し、矢印の方向にジェネレータを浮かせてやると、抜けます。

ジェネレータを浮かすためのボルト緩め、赤矢印の方向に持ち上げる

テンショナープーリー以外は、23Nmで締め付ける。

魔のテンショナーボルト

ここで、問題発生。テンショナープーリーボルトが外れない。どうやっても外れない。裏から16mmのスパナで押さえていたが、舐めかけた。ロックタイト塗布されているようなのだが、炙ってもだめ、叩いてもだめ。これ以上は素人には無理、と諦めた。ここ、どうやって外すんだ????一度締め直し、古いベルトを取り付けて別の作業へ。ここはプロに任せよう。

これ、どうやっても外れなかったんだけど・・・・ネジをなめて大惨事になる前に、素人は諦めました。

クーラントの注入

真空引きにて注入。手持ちのコンプレッサーだと、長いポルシェの配管を真空にしきるのは無理っぽい。このくらいがせいぜい。↓を使って注入。

これをエアコンプレッサーにつないでホース内を真空にしてくれるツール。ミッドシップエンジンやリアエンジンでフロントにラジエーターがあるクルマの場合、普通に上からクーラントを補充するとエア抜きにとんでもなく時間が掛かってしまう。そこで、ポルシェのサービスマニュアルにも真空引きにて作業するように指示がある。自宅に最も近いポルシェディーラーで聞いたら、そこでも真空引きツールでクーラントを入れているそうだ。

5,000円位で売ってる真空引きセット

予め、抜いたクーラントの量を計量カップで計っておいた。約15Lもあった・・・・同量のクーラント液を作成。原液2ガロン(7.4L)を二倍希釈して使用。-37℃まで対応可能。

50%で、-37℃まで対応

真空をしばらく継続し、漏れがないことを確認した後、一気に注入!

で、2L ほど入らず。最後はやっぱりアイドリングを繰り返してのエア抜きが必要となってくる。

真空引きでは、エアコンプレッサーも必要なので、紹介しておく。

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プーリーの件、最後はプロにおまかせしました

子持ち馬車馬リーマンは、サンデーメカニック(死語?)などできるわけなく、専ら、ミッドナイト&アーリーモーニングメカニック(造語)である。自分でエア抜きやりきる時間がなかったのと、プーリーの件もあり、プロに依頼することに。30kmほど走ったところに外車専門店があったので相談。「申し訳ないですが素人整備のケツを拭いてください」とお願いしたところ、嫌な顔せず、快く引き受けてくださいました。この後、自走で運搬しなければならなかったので、エンジンパネル周り以外は全部戻し、冷却水の液漏れがないこと、ドライブベルトの動きを確認して、プロショップへ。
冷却水のエア抜きに関しては、アイドリングを繰り返して根気よく2L入れて下さいました。さらに、外れなかったテンショナープーリーも、あっさり外れたとのこと。ついでにドライブベルトも新品を持込み、交換(どうせ外すからね)。さすがプロ、技術・ノウハウが全然違う。工賃は、部品は全部持ち込みで2万円也。自分で相当の作業をすることができない故の対価としては、十分に安いと思いました。ありがたい。

終わりに

ポルシェの冷却水は、とにかくたくさん入る。ラジエータが前にあり、注入口が後ろってうMRの構成上、完全なエア抜きは、アイドリングの繰り返ししか無い。鬼門とされているウォータポンプ交換を完了させ、さらに今回はBore Scoring回避のために早めにサーモを開けたかったので71℃品に交換しておいた。特に何かが劇的に良くなった、とかいう感じはもちろん無いが、壊さずに長く乗るための予防整備としての位置づけである。

ここまで、購入から半年に渡り続いた「買ってからの基本整備」は一通り終了!

最後に、これから走るにあたって念の為にということで、12ヶ月点検もしてもらい、特に問題ないとのこと。ヨシ!

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