車両コネクタの作成方法を解説する。車両用コネクタの作り方を覚えればクルマの配線や電源などを取得する際とても便利。題材として、S660オプション電源取り出しハーネスを作成する。今後の電装品の追加を考え、オプション電源取り出しハーネスを作成し、電源取を取り出した。Hondaの多くは、ディーラーやメーカーオプションの追加のために、ヒューズボックスからカプラオンで電源を取得するための「オプションカプラ」というものが存在している。
オプション電源取り出しハーネスによる電源取り出し
車種によって形状は様々であるが、S660のヒューズボックスを見てみると空きがある。そこで、オプション電源取り出し用ハーネスを作成した。
同様なものは、すでにオプションカプラ取り出しハーネスとして販売されている。自作する手間を考えれば、買ってしまうのが早いかもしれない。
S660オプションカプラの挿入場所の確認
ヒューズボックスの上の方(かなり見にくい。撮影のために、色々パネル類は外している)に、空きのカプラがあることを確認する。ホンダアクセスのオプションをつけていたりすると、埋まっているかもしれないので、下赤丸の部分を確認。すでにオプションカプラが挿さっている場合は、中継カプラ付きの製品が必要(後で解説)。
ここに挿さるカプラを作成して、電源を取り出してやれば良い。
必要な部品
電源取り出し用のハーネスを作成するために必要な部品と工具を紹介する。
電源カプラ
電源カプラは以下の部品を用いる。車両に割と一般的な090コネクタ(メス)。ピンがセットで売られている。
昔は20個セットでしか販売していなかったと記憶しているが、最近では個人向けにこういった販売をしてくれているようだ。便利な世の中になった。Amazonで購入。
電線
いつものエーモン製。これも、手持ちのストック品を使用。1.25sqを使用した。これで、11.7A(@12V)の電装品まで対応可能。電力許容にマージンを載せて、090コネクタに挿入でき、できる限り太いものが望ましい。
電源カプラ用の圧着工具
今回の電源カプラを圧着するのに必須の工具。他の安いやつだとうまくカシメできずに抜けて最悪ショート。重要な部品だけに、ここは精度の高いものがオススメ。
オプションカプラの作成
カプラの作成方法は、車両用コネクタ(カプラ)の作りの記事に記載。
カプラが完成したら、手前にヒューズを取り付け、出力先であるギボシ端子をカシメた。
オプションカプラハーネスが完成。
参考:すでにオプションカプラが挿さっている場合
中継カプラを自分で作成するためには以下のオスメスカプラのセットを手配する。
上記カプラを使って中継カプラを作って上げれば電源を取り出せる。
グランド(GND)の結線
最後に、車体のグランド線に接続する必要がある。そこで、グランド用の丸型端子をカシメる。丸型端子とギボシ端子をカシメる。将来に他の機器を接続することを考えて、ギボシ端子をタコ足配線しておくのが良いだろう。
コレをヒューズボックス横の集中アースにネジ留めすれば、車体側の配線は完了。
FUSEボックスへの取り付け
作成したハーネスを、FUSEボックスの空きに挿入する。
注意:下のFUSEの作業は、「必ず最後に、ヨシ、コレなら通電してもOKだぜ!」ってなってから行ってください。ミスると最悪燃えます。説明の都合上で先に書いていますが、実際は電装系の部品全部の搭載作業が完了してからFUSEを差し込んでいます。なお、使わない電線の先端は絶縁処理をしておくこと。
FUSEボックスの↓図赤◯部に10AのFUSEを差し込む。これで、オプションカプラの各信号線に電源が供給される。
後日、オイルクーラーのファンを追加することになり、FUSEを10Aから20Aに変更している↓(ちなみにHonda Accessのオプション品をつけた場合などは、予めここに20AのFUSEが挿さっているため、最大は20Aと思えばよいだろう)。
負荷計算
使用する負荷により、必要なFUSE容量を決めるべきだろうが、わからなければ、10~15A程度を挿しておけば問題ない。ちなみに、オプションカプラの線径が1.25sq、流せる電流は11.7A(@12V)なので、温度条件などにより変わるがマージンを積んで、オプションカプラ以下に流せる電流のTotalは11.7Aが最大。
これで、電源を取り出すことができた。
こういう方法もあります・・・電源の取り出し
今回は、拡張性(追加メーターとか、スマホの充電器の増設とか)を考えたのでオプション電源取り出しハーネスを作成した。ACCの電源だけを取り出したいのであれば、「エーモン 低背ヒューズ電源」の7.5Aを使用するのが簡単かつ安価。
取り出した電源側にさらにヒューズがついており、安全だし、既存のFUSEを置き換えるだけ。電源を簡単に取り出したいなら、コレが一番ラクかも。
GNDは前で説明したのと同様、集中GNDに配線すれば、簡単にアクセサリ電源を取ることができる。
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