【開発記】S660 α用ステアリングスイッチ移設ハーネスの開発

S660のステアリング交換の際に、純正ステアリングについているステアリングスイッチを移設するハーネスを作成した。このハーネスを使ってステアリングコラムカバーに純正のオーディオとクルーズコントロールのステアリングスイッチを移植する事ができる。

目次

開発のきっかけ

S660のステアリングには、αはクルーズコントロールシステム(クルコン)とオーディオコントロールスイッチがついている。操作性やシフトポジションの改善を目的として社外ステアリングに交換する際に、これらのスイッチ類も移設する必要がある。移設キットが販売されているが、これらは数万円するため、なかなか手を出しにくい。

ならば作ってしまえと、ステアリングコラムに純正のステアリングオーディオスイッチを移設するためのハーネス作成した。このハーネスを使えば、オーディオスイッチを移設できるものの、α乗りの方は、クルコン機能(さらに、CVTの場合にはパドルシフトも)は捨てるしか選択肢がなかった。

しかし、付いている機能が使えないというのはもったいない気がするし、長距離にクルコンが便利なのも事実。そこで、クルコンスイッチ、オーディオスイッチと同じように移設できないかを考えてみた。

準備

クルコン無しの車両用に作成したオーディオスイッチの移設ハーネスにクルコン用のハーネスを追加する。

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クルコンスイッチへの配線は、ディーラーで見せていただいた配線図によると、クルーズスイッチ・クルーズグランド・イルミスイッチ・イルミグランドの4つ。車体側ハーネスから来ているクルーズスイッチ・クルーズグランドと、ステアリングスイッチから取得するイルミの電源とグランドをクルーズコントロールスイッチに供給できるようにすれば良い。ケーブルリール側の配線にクルーズグランドとクルーズスイッチの線が来ていることはわかっていたので、今度はスイッチ側のコネクタを作成する。

接続する配線

スイッチ移設前、移設後の配線の変化をまとめるとこんな感じ。

試作品

こうして作成したのがクルコン&オーディオ用ステアリングスイッチ移設ハーネス(↓写真左)。従来のオーディオスイッチのみのものに加え、クルコン用のコネクタが追加されている。

ついでに、βのオーディオ移設ハーネスのために開発したテスターも改修して、α用のクルコンハーネスを追加しても導通・誤接続・抵抗を計測できるように改修した。

ハーネスの作り方はこちら

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販売した移設ハーネスはかならずこのテスタで異常がないことを確認している。これでハーネスは完成。

穴あけ加工

配線は、オーディオスイッチ移設の際に作成の目処がある程度立っていたので大きな問題はないのだが、取り付けるコラムカバーの位置決めに課題があった。というのも、オーディオスイッチの反対側にクルコンスイッチをつけようとすると、ステアリングコラムカバー内部のキーシリンダーAssy.に干渉する可能性があったからだ。

これを避けるために、新品のコラムカバーを購入し、実際に穴あけをして干渉を確認。なんとか避けられているっぽいので、これで搭載の目処がたった。

下図はオーディオスイッチ取り付けのための穴あけ位置。クルコンスイッチは反対側に同じ位置に穴あけをすればOK。

ということで、コラムカバーおよびハーネスについては完成!

搭載と動作確認

今回、S660αの車両については、初物のハーネス。無償で移設ハーネス・コラムカバー加工・取り付けサポートを提供することを条件に、テスト車両を募集した。あるオーナー様にご快諾頂いたため、クルコン・オーディオスイッチの移設ハーネスを開発することができた。

ステアリング取り外し可能な車両だったので作業めちゃくちゃ楽だ。ステアリング奥に目立たない状態で搭載できるシンプルな見た目。

穴あけ位置の精度は結構重要で、余り手前すぎるとコラムカバーの湾曲がきつくなってくるので搭載が難しい。一方、奥にしてしまうと、キーシリンダーや、チルト(ステアリング上下調整)の際に内装に干渉してしまう。今回の穴あけ位置で、チルト機能にも干渉無しで搭載することができた。下写真は結構攻めている用に見えるが、干渉なくチルト可能。

オーディオ側はこんな感じ。

うん、シンプルで良いんじゃないか。実際に走行時動作確認を行い、ホーン、クルコン、オーディオの動作が問題なく、かつ警告灯等の点灯がない事を確認して作業終了。

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