S660-βのステアリングはウレタン製。純正のドライビングポジションを維持したまま、革巻きのバージョンであるS660-αのステアリングを購入して取り付ける方法を記載する。特にS660のような運転を楽しむクルマにとって常に肌と接している部分、すなわちクルマと「対話」をするインターフェースは重要であると考えている。
私はステアリングは革巻きでないと、というコダワリがある。所有する車はすべて革製のステアリングに交換済みである。NBロードスター、そして987ボクスターで使い続けてきたお気に入りのナルディクラシックにしようかと思っているが、まずは純正のポジションと革ステアリングの握り心地をちゃんと味わってから交換を検討するために、中古のαのステアリング(78501-TDJ-N20ZA)を入手。
ちなみに、社外ステアリング(NARDI Classic 340mm) への変更は↓の記事
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2020/02/ec_resiz_050-300x225.jpg)
バッテリー端子外し
S660のバッテリーは、フロントフードを開けただけではは見えない。幌を格納するフロントのユーティリティボックスの後ろにあるためだ。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG20220506174555.jpg)
ユーティリティボックスを取り外すと中央にバッテリーが見える。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2022/03/image-2-1.jpg)
↑画像の黄色で囲われたバッテリーのマイナス端子側(黒い方)を外す。プラス側(赤いキャップがついている側)はバッテリー交換の時以外、基本は触らない。ちなみに慣れると、ユーティリティボックスを取り外さずにバッテリーのマイナス端子を外すことができる。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2022/03/IMG20220330232834.jpg)
バッテリーのマイナス端子は奥まっていて工具が入りづらい。ラチェット機能付きのコンビネーションがあると非常に楽。世の中の殆どのクルマのバッテリー端子が10mmなので、これ一本あれば応用が効くし、臨時用の車載工具としても役に立つ。見て分かる通り手のひらにすっぽり収まり、ラチェット機構がついている。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2022/03/IMG20220330233130.jpg)
外したバッテリーのマイナス端子は、養生テープで絶縁しておく。
![S660 バンパーの外し方とホーン交換(ノーマル→社外品)](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_20210709_224404-1024x768.jpg)
約5分放置すると車両のコンデンサなどに残った電気も抜けきる。
エアバッグおよび純正ステアリングの取り外し
必要な工具類
![S660ステアリング交換に必要な工具](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_20210602_004533-1024x768.jpg)
手前のT30のトルクス、10mmのヘキサゴンレンチがマスト。ステアリングのボルトはネジロックが塗布されているので、大きなトルクをかけられるように、スピンナハンドルがあると良い。30N・mを計測できるトルクレンチがあると、締めるときに安心。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_131144-768x1024.jpg)
ここに、トルクス T30突っ込んで回す。左右それぞれ緩めると、エアバッグがボロって取れる。大体の車両のエアバッグはコレで外れるので、持っておいて損はない。
エアバッグが取れたら、下図の赤矢印部分をつまんで引き抜く。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_20210602_003823.jpg)
次に、ホーンのカプラを引き抜くと、エアバッグと分離が可能。配線が二箇所してあるので、それぞれ外す。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_134716-768x1024.jpg)
続いて、ステアリング本体を取り外す。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_134900-1024x768.jpg)
10mmヘキサゴンレンチとエクステンションバー、スピンナハンドルでエイッ!で外れる。ネジロックが塗ってあるから、ちょい固め。これを外すためのヘキサゴンレンチは高い精度が必要。信頼のおけるメーカーのものでないとナメそうなので注意。私はずーっとKTCのものを愛用している。
センターボルトを外す前に、センターボルト上部のカプラを外しておく。
次に、センターボルトが緩んだら、一度センターボルトを取り外し、ステアリングの取り外しの際の位置をマジックなどでマーキングしておくと、戻すとき楽。外すときの勢いで顔面にステアリングをぶつけないように、再びセンターボルトを数山だけ再度しめてエイヤっって引っ張ると、ガコって抜ける(今回は新車なのでスルリと抜けた)。
スイッチ類、ガーニッシュ類の移植
ステアリングガーニッシュ(ステアリングの裏側にある樹脂部品)を外した後、スイッチ類が埋め込まれている表側の樹脂製部品を外す。ツメで止まっているだけなので、マイナスドライバーで丁寧にコジって外す。再利用しなければ破壊してもいいけれど、今回はαのステアリングに移植するので丁寧に。事前に写真を撮っておくと、組み立てるときに楽。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_140606-1024x768.jpg)
アルファ用のステアリングに移植
外すのと逆の手順で、ガーニッシュやスイッチ類を移植する。
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_141401-1024x768.jpg)
センターボルトにロックタイトがついているので掃除して取り除き、再度締め込む。規定トルクは49N・m
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210423_144655-1024x768.jpg)
最終確認して、ハンドルセンターが変わってないかとか、各動作の動きをチェックして、終了。
ステアリングなど、走る曲がる止まるに関連する部品については、規定トルクは守るようにしておきたい。トルクレンチの選び方については、以下の記事を参照
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2022/11/IMG20221119111656-300x225.jpg)
インプレッション
素材が変わっただけ。ステアリング径は小さいのでクイックであるが、楕円形。これは好みの問題か。やはり革ステアリングは手にしっくり来る。最近の車は、ステアリングのグリップが太すぎる。素手ならいいかもしれないが、レーシンググローブをつけて正確な操作をするためには、もう少し細身のステアリングが良いと個人的には思う。やっぱり最終的にはナルディクラシックに落ち着きそうな予感。
後日、ナルディクラシックへと交換。S660の社外ステアリングへの交換方法の記事を読む
![](https://kurumashikou.com/wp-content/uploads/2020/02/ec_resiz_050-300x225.jpg)
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