パンク時の応急処置とタイヤ交換

私のフリードが通勤中、タイヤにビスが刺さってパンクしてしまった。パンク時の応急処置の方法とタイヤの交換についてまとめてみた。

目次

パンクに気がつくまで

いつもの通勤路。会社までは10kmの道程。郊外の比較的空いた道で30分程度。忙しい時でも、車両に乗る前に車の周りをぐるっと一周して、タイヤや外装に異常がないかを目視点検してから出発するようにしている。このときは異常なし。

通勤途中で、昼食を買いにコンビニに寄り、買い物を済ませて出発しようとした時に再度目視点検したところ、右リアのタイヤが凹んで、空気がほぼ抜けてしまった状態だった。それまでの走行で異常はなかったのでコンビニ周辺で「なにか刺さった」のだろう。気が付かずに走行すると、道路上で停止してしまうことになるのでたまたま気がついて良かった。

パンクの種類

タイヤの空気が抜けてしまうことを一般に「パンク」と言うが、

①タイヤが破壊されてしまう「バースト」

②空気が抜けてしまう通常の「パンク」

に分けられる。

①バースト

タイヤの空気圧が低い、経年劣化、耐荷重を超えた状態で走行を続けた場合、あるいは大きな障害物に乗り上げる等でタイヤに異常な負荷がかかった場合に、タイヤが破裂してしまう事がある。これをバーストと言い、非常に危険。幸い、私はバーストを経験したことはないが、車の損害も大きく修理費も高くなる。一気にタイヤが破壊されてしまうため、片方のタイヤが破壊されてしまうと走行抵抗がその車輪だけ大きくなるので車速によっては立て直しが難しく壁に衝突する可能性もある。ステアリングを操作して衝突を回避する必要がある。

②パンク

タイヤに釘や金属片などの異物が刺さっていると、その隙間から空気が抜けていってしまう。一気に空気が抜けることはあまりなく、徐々に空気圧が下がって行くことのほうが多い。空気圧が下がってくると、タイヤにガタガタとした振動が発生したり、ハンドルが取られる等で気づく。

発生時の対応と応急処置

発生時の対応

パンクに気がついたら徐々に減速しながら車両を安全な場所に停止させる。パンクの場合はバーストとは異なりタイヤがホイールについている状態のため、空気が抜けた状態でも無理やり走行できてしまう。しかし、走行を続けるとホイールの破損やバーストの危険がある。走行せずに安全な場所に停止させよう。

ただ、高速道路上や、交通量が多い幹線道路・バイパスなどでは本線上で停止するのは非常に危険。高速道路本線はもちろん、路肩であっても後続車に追突されるおそれがある。ハザードランプで後続車に危険を知らせつつ、低速で安全に停止できる場所(路肩は追突の危険があるので、非常駐車帯・SA/PAなど)まで移動するのが望ましい。

応急処置

スペアタイヤが搭載されている場合、交換すれば走行が可能だが最近の車はスペアタイヤを搭載していない事が多い。

代わりに搭載されているのが、パンク修理キットである。GB3フリードの場合、運転席下に格納されている。下写真のオレンジ色の取手を回して収納ボックスを開けると、パンク修理剤と電動エアコンプレッサーが格納されている。

パンク時の応急処置とタイヤ交換:パンク修理キット

使い方はオーナーズマニュアルに記載されているのでそちらを参照いただきたい。

純正のパンク修理剤は、ホイール内部に修理剤の成分を行き渡らせて穴を塞ぐ。また、パンク修理剤によるパンク修理はあくまで応急処置。最終的にはタイヤの修理・交換が必要となる。純正のパンク修理剤は、修理工場まで走行するための緊急時の対応と理解しておこう(マニュアルにも記載されている)。

緊急時を除き、純正のパンク修理剤の利用は、緊急の場合を除き、オススメしない。

ロードサービス付きの保険に加入しているなら、諦めてレッカーを呼んだ方が安上がりだ。なぜならパンク修理剤を使用してしまうと、修理の際にホイール・タイヤの清掃がとんでもなく大変なため、工賃も高くなるためだ。

パンク修理剤を使わない応急措置

そこで、タイヤがパンクしてしまった場合、これから述べる方法で凌げる可能性があるため紹介したい。今回はこの方法で自宅まで5kmの道程を帰る事ができた。ただし、異物の刺さり方によっては危険となる可能性もあるため、あくまで参考としてご覧いただきたい。

①異物の確認

まず、タイヤの空気が抜けてしまっている原因を突き止める必要がある。今回はタイヤを見回してみたところ、ショルダー部にビスが刺さっているために空気が抜けてしまっていたことが判明。

タイヤパンクの原因として、ネジや釘、金属片が刺さっていることが多い

触ってみるとかなり深く刺さっている事がわかった。その他、サイドウォールやトレッド面をチェックしてみたが外傷はなく、原因はこのビスで確定。

②パンク修理キットに付属のエアコンプレッサーで空気を入れてみる

純正のパンク修理キットに付属のエアコンプレッサーを使い空気を入れる。エアコンプレッサー(下写真)のオレンジ色のプラグをシガーソケット(アクセサリソケット)に差し込む。

パンク時の応急処置とタイヤ交換:純正のエアコンプレッサー

コンプレッサーのエア出力をタイヤのエアバルブに接続し、エンジンを始動。スイッチを入れる。この時、タイヤに刺さった異物がエアで吹っ飛んでいく可能性があるため十分注意すること。

パンク時の応急処置とタイヤ交換:純正のエアコンプレッサー使用例
③しばらく様子を見て空気が抜けていないことを確認

指定空気圧まで空気を入れたら、しばらく放置して空気の抜けがないかを確認。運のいいことに今回は空気の抜けがごく少量だったため、走行可能と判断した。

④道路状況に応じて、安全に配慮してゆっくり移動

もちろん、タイヤに異物が刺さっているため、速度にも十分気をつける必要がある。また、少し走ったらこまめに空気圧をチェックしながら移動する必要がある。この状態で自宅まで移動。今回は修理できないパンクだったため、応急処置として、スタッドレスタイヤへの履き替えを行って新しいタイヤの到着まで移動できる状態とした。

修理できるパンクと修理できないパンク

異物が刺さってしまった際にはガソリンスタンドやタイヤ専門店などに修理してもらうことができる。タイヤを取り外して異物を取り除いた後に、異物が刺さっていた箇所に専用のパンク修理剤を当てる。応急用修理剤とは違い通常の走行が可能で、1,500円程度でパンク修理ができる。修理できるパンクの条件としては、

タイヤのトレッド面に異物が刺さったパンクであり、ショルダー、サイドウォールのカーカスにダメージが無いこと

である。以下はブリヂストンのホームページより引用したタイヤの構造。

①トレッド部 ②ショルダー部 ③サイドウォール部 ④⑦ビード部 ⑤ベルト ⑥カーカス

タイヤを断面で見た時に、通常地面と設置するトレッド部には一般にスチール製のベルトと呼ばれる強度の高い構造部があり、この部分に釘などが刺さってもパンク修理が可能。

しかし、ショルダー部やサイドウォールは構造上弱いため、ここに釘などが刺さると修理は不可能。今回のパンクはショルダー部にビスが刺さっていたため修理不可。下図のようにショルダー部に結構エグいビスが刺さっていた。

パンク時のビス

また、パンクした状態でしばらく走行してしまうとショルダーやサイドウォールが破損してしまうため修理不可となる。よって、修理のことを考えても、パンクに気がついたらすぐに車を安全に停止できる場所で停止するのが大事。

パンクのリスクを避けるために気をつけること

定期点検でパンクのリスクを下げる

タイヤの空気圧を適切にする・過積載をしない・タイヤの定期的な点検を行うのがリスク回避につながる。JAFによると、

JAFのロードサービス出動件数のうち、タイヤのトラブルは2017年度に391,799件と過去最高を記録しています。2007年度は286,934件であったため、10年でその出動件数は104,865件増。約3.6割増えていることとなります。
(中略)
タイヤの点検サイクル 適正は1カ月に1度。確認しているのは全体の3~4人に1人

https://jaf.or.jp/common/news/2019/20190308-01

とのこと。タイヤの空気圧やひび割れ等のチェックをしていない人が多いそうだが、タイヤは何もしないと空気も抜けるし、紫外線や水分で劣化していく。特にタイヤ側面は構造上弱いため、ひび割れがあると、負荷がかかった時にそこから一気に空気が抜けてしまうこともある。

走り方でパンクのリスクを下げる

道路は排水のために、車両の進行方向に対して横に水が流れるように緩やかな傾斜がついているのが一般的。雨の日に流された金属片などは道路の左側に堆積することが多い。よって、あまり左端を走行すると金属片が刺さる可能性が高い。また、事故があった場所を通過する時に、破損した車両から外れたビスなどを拾ってしまうこともあるので気をつけよう。

タイヤによってパンクしやすいとかある?

正確なところはわからないが、例えば「日本製のタイヤは異物が刺さりにくい」のような事は無いと考えている。日本製タイヤでも、海外製のタイヤでも、どちらも釘などでパンクしたことがあるからだ。タイヤメーカーがビスのような異物に対して「刺さりにくさ」を評価する基準がないため、どちらかというと運による要素が大きそうだ。

パンク防止には定期点検が一番効果的

ランフラットタイヤ(パンクにより空気が抜けても、サイドウォールが固いため低速であればそのまま走行できるタイヤ)や、TPMS(Tire Pressure Monitor System 空気圧監視システム。高級車では採用済み)は、まだ一般的ではない。

点検の効果として、異物が刺さっていないかを定期的に見てあげることで、パンクを早期発見でき、修理費が少なくて済む。多くの場合は前輪で巻き上げて上向きになった釘などを後輪で踏みつけてしまう事が多いため、特に後輪は注意を払っておくと良いだろう。

繰り返しになるが、異物が刺さるパンクは、点検でちゃんと空気圧やひび割れをチェックし、定期的にタイヤを交換するのが最も効果的。

パンクしたら4本全交換がおすすめ

タイヤはゴムでできているので、時間経過とともに劣化していく。よって、おすすめは4本全交換をおすすめしておく。1本だけ交換となると、(心理的なものだが)他のタイヤとの「減り」量が違うため外径が若干変わってしまうのも気持ち悪い。

タイヤはゴムでできており、紫外線で劣化してしまうし、空気も抜けていくため定期的な点検とメンテナンスが必要である。毎回車に乗る前に車両の周りを一周してタイヤをチェックするクセを付けると安心だ。溝があったとしても5年に一度位の頻度でタイヤを新品に交換すべきだ(私は、低コストタイヤを使い、3年程で新品に変えてしまう)。

4本交換となると、価格はどうしても高くなってしまう。実際、フリードに適用できる国産のエコタイヤだと交換工賃込みでタイヤ1本2万円弱位かかってしまう。そこで愛用しているのが海外製タイヤブランドZEETEXのZT1000だ。

ZEETEXを再度購入

実は海外製のタイヤについては、そのコスパの良さから割とヘビーユーザーだったりする。今回導入したZEETEXは、いつも輸入タイヤを購入している通販サイトAutowayで購入した。フリードスパイクの純正サイズ(185/65R15)だと、1本あたり4,000円程(2022/04月)。

交換工賃は、自分で車両から取り外して、タイヤ付きホイールを持ち込んでホイールに取り付けてもらって、4本で6,000円程。合計23,000円程度で交換完了。国産タイヤ1本+αの価格に抑えられる。

ゴムは劣化するものなので、高いタイヤを長く使うより、価格を抑えたタイヤを頻繁に交換するスタンスである。新品タイヤ、ゴムが劣化していないので柔らかく、乗り心地も良いく気持ちいい。

ZEETEX ZT1000コスパ良し。

燃費性能は国産にかなわないが、静粛性も良いし、ウェット時のグリップ性能に不満はない。

ちなみにいつもの通り、ローテーションの際に見やすいように、ペイントマーカーでタイヤ内側に印を付けている。

ZEETEX ZT1000コスパ良し。

タイヤ交換について

タイヤ交換についてはディーラーにお任せという人も多いだろう。

自分でやるのが面倒な場合、Autowayが提携するタイヤショップ(タイヤピット取付店)が各地にあり、Autowayから取付店に配送、取付店ではクルマからの取り外し、取付まで行ってくれるサービスがあるのでそちらを利用してみると良いだろう。

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