スイフトスポーツから考えるコンパクトスポーツの魅力とは

スズキが作るスポーツコンパクト、スイフトスポーツについてクルマ志考的観点で考察したい。この手のクルマ、いわゆるコンパクトスポーツの魅力は、軽さを武器に格上の排気量のクルマと勝負できることと、日常の使い勝手をある程度想定したパッケージにあると考えている。

2007年の話。当時乗っていたEG8(Vtec乗っけたシビックセダン)のオイル漏れが激しく、買い替え時期になった。結婚して間もなくだったので、夫婦で1台のクルマを購入することになった。もともと、スズキスイフトの軽量コンパクトボディにパンチのあるエンジンを搭載した初代のスイフトスポーツHT81Sが欲しかったのだが、しばらくEG8をごまかしながら乗っているうちにZC31S(スイフトスポーツ)がデビュー。今までのスイフトとは全く違う意匠デザインに惹かれて購入した。

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コンパクトスポーツ

コンパクトスポーツというクルマのカテゴリが存在する。EK9のシビックType-Rが火付け役だったと思う。普通のコンパクトカーの軽量車体をベースにメーカーが足回りやエンジンチューンを施して、よりスポーティに仕立てたものである。

軽量ボディを活かした運動性能

私が所有していたZC31Sは、車体剛性がもとから高いZC31スイフトをベースに、エンジン排気量をアップさせて最大出力125馬力最大トルク148N・m車重は1,060kg。当然、足回り等にも変更が入っている。これがめっぽう面白いクルマだった。ワインディングの下りのコーナーではランエボⅩとも渡り合える。ベース車輌がコンパクトカーなので、部品も安く、メンテナンスも楽

価格でいうと数百万円も差があるクルマを、ショートサーキットで軽さとブレーキング勝負で追い込む、なんていう事ができるのも、このクルマの強みであった。テクニックで格上の車輌を追い込む楽しさを味わえる

コンパクトカーならではの積載性や使い勝手の良さ

長距離の高速移動はギア比の問題でちょっと大変だったけど、その辺は若さもあり苦にならなかった。

ワインディングを気持ちよく走ると最高なクルマだった。子供がいなかったので、とくに考えずにふらっと遠出して、まだ走ったことのないワインディングへドライブに良く出かけた。素性がコンパクトカーである。よって、使い勝手が犠牲にならないのがコンパクトスポーツの利点だ。嫁の通勤車&お買い物カーとしても大活躍。

スイフトスポーツの正常進化 ZC32S、ZC33S

スイフトスポーツは正常進化を遂げ、2011年末にZC32Sが発売される。コンセプトはキャリーオーバーされ、最大出力136馬力、最大トルク160N・m、車重1,050kg(MTモデルカタログ値)となった。更に、ZC31で5MT速だったトランスミッションは6MT化している。これにより高速道路走行時も楽になった。本気で購入を検討したので、まだカタログ持ってる…

2017年には、さらなる正常進化を遂げ、1.4L 直噴ターボエンジンを搭載したZC33Sが販売開始。ターボエンジン化することで排気量を落として税制上有利となったにも関わらず、最大出力140馬力。最大トルクは何と230Nm!!車重は何と970kg。楽しくないわけがない。タイヤとサスペンション、ブレーキパッド変えて即サーキットと言う感じか。今見ても、とても魅力的なパッケージである。

我が家は、ZC33Sとアルトワークスで迷い、嫁が通勤で使うということで燃費とさらなる軽さ、部品代の安さに振ったアルトワークスを選択した。しかし、私の住む地域のようにクルマが1人1台という地域だからの話。ファミリーカーや買い物カーとしても兼用というのであれば、ZC33Sの使い勝手と楽しさのバランスは素晴らしいと思う。

スイフトスポーツは日常の使い勝手を確保しつつ、ドライビングの楽しさを教えてくれるクルマ

スイフト・スポーツは正常進化を遂げ、ZC33Sは至高。ダイレクトなフィーリングのMTを駆使して楽しむのもアリだ。一方で、ATを選択するのもアリだろう。重量増というデメリットはあるものの、トランスミッションに関しては、ATモデルも十分スポーツできるスペックとなっているところも素晴らしい。あえてCVTではなくトルコン式を採用してくれているし、最近のATはロックアップ機能も秀逸だ。

軽量な車重と相まって、峠のドライブやショートサーキットで、今後活躍していくのではないだろうかと考えている。

S660を購入したので、スイフト・スポーツの購入は見送ったが、その間に2022年7月にオーダーストップとなってしまった。

今後ガソリンエンジンが電気自動車に置き換わっていく中で、この手の楽しいクルマはなかなか手に入りづらくなってしまう。もちろん、電気自動車に楽しさを加えたモデルが今後出てくるであろう。しかし、ガソリンエンジンの楽しさを味わえるうちに、楽しんでおきたい。1tを切る車重で、トルクフルなエンジン。FF、コンパクト、MT。これが揃っているクルマで価格が200万ちょっとで買えたのである。

ベストバイは、ZC33Sのスイフトスポーツだと思う。軽さを生かしてキビキビ走るコンパクトカー…なんかホントに欲しくなってきた。残念ながら、今では中古で購入するしか手に入れる方法はない。

中古車購入にあたり不安となるメンテはしっかり行いたい。ただ、価格は抑えたい。そこで、ディーラー販売の中古車だけにこだわらず、割安の中古車を探すという選択肢もオススメ。今まで、ディーラー以外で中古車を何度も購入ているが、違法改造ではない限り、ディーラーに持ち込めばきちんとメンテしてもらえた。
レア車輌の場合は、争奪戦になることもあるので、中古市場で大きな流通量のある大手のガリバーなどが提供している中古車無料お探しサービスプログラムに申し込んでおけば、自分の希望にあった車輌を探してくれる。大手は流通量も多く更新が頻繁なので、希望だけ伝えてあとは待つだけだと楽。その間に別の中古車サイトを巡回して探すことで、効率的に希望の中古車に巡り会えると思う。



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