ポルシェといえば、「高級車」のイメージがあるが、私が購入したボクスター987はとっつきやすく、乗りやすいクルマだった。これから購入を考えている方に向けて結論から言うと、買って損はない車だと思います。ただし、「道楽車」としてね。以下、購入と売却の経緯を記載しました。
私が987を購入した経緯

売却の理由
一言でいうと「持て余した」(何様って感じだけど、、、仕方ない)。短期間だが、所有してみた感想を。
ポジティブ
- 6発のエンジンが気持ち良い
トルクも大きく、回せば音も良い。高回転の「コォォーン」というNAの音はノーマルマフラーだととても良くわかる。 - コーナリングの楽しさ
MRで低重心、かつ重量物を中心に集めたレイアウトは、コーナリングの一体感がとても楽しい。車体の剛性だとか、ブレーキのフィーリングも文句なし。「いい車に乗っている」ことを感じさせます。 - ステータス性
(安っすい個体だったから、あまり気にしていなかったけど)ご近所さんだとか、コンビニの駐車場だとかで、見られている感じはそれなりにあります。あと、煽られない(同じ速度で走っていても、嫁のアルトだと後続車の車間が短い・・・)。やっぱり、ポルシェはポルシェ、という感じ。
ネガティブ
- 整備性
これがメインな理由。整備が「めんどくさい」。私の場合、割と高負荷で走る事が多いので頻繁に整備することになる。エンジンのメンテナンスが結構手間だし、ジャッキアップも面倒。ショップにお任せって人には問題ないのかもしれないが、ディーラーでコーヒーと高級なお菓子をつまみながら自分の車の仕上がりを待つ(子供は喜んでいたが・・・)ってのが性に合わないので、やっぱり自分でやるのが良い。でも、自分でやるには手間がかかりすぎた。 - 踏めない
この車、どこで踏めるの?って。ちょっと広い峠でも無理。残念ながらサーキットを走る前に売却してしまった。あと、Bore Scoringの問題もあり「今ここで踏んでオイル切れしたらどうしよう??」とか、心配になってしまう自分がいて、踏み切れなかった・・・リミッターまできっちり回して、性能を使い切って走るってのが自分にはあっている気がします。逆に、余裕のトルクでまったりドライブ+峠でちょっと踏んで楽しむ、という使い方だとぴったりかもしれない。 - 「ドヤ」って乗るのがそもそも好きじゃない
ポルシェというステータス性に憧れるのであれば、これはポジかもしれないけれど・・・どうも、自分には合わなかった。
まとめると、自分には、ボクスターは「大人な」車だったってこと。ガンガン回せる国産車で、整備も、全部自分でできる車が自分にはあっているなと思い、手放すことにしました。もっと年をとってから(そのときにはガソリン車乗れないかもしれないけど)車人生の集大成みたいな買い方をするほうが良かったかもしれない。
何が言いたいかというと、「いい車」であることは間違いないと思う。だけど、クルマの方にドライバー側が合わなかった、というだけ。ドライバー側がまだまだ未熟者で、ぶん回して乗るクルマの方が性にあっていたということだと思う。
買取業者との話
地元の、LIBERALA(ガリバーの外車中古車店)に買い取ってもらった。複数回って、価格をどうのこうの、だとか、正直メンドウだということを伝え、希望価格で買ってくれたら売ります、というスタンスで交渉。希望価格通りだったので、即日売却。
一番困ったのが「手放す理由」。正直に「持て余した」って言いづらい。だからといって特に悪いところもないし・・・・で、「子育てのため」で、通しました。家族用にはミニバンもあるし、息子はボクスター気に入ってたけど。
987ボクスターのリセールバリュー
ポルシェのリセールバリュは、「まずまず良い」ってことがわかった。8ヶ月乗って、車両価格から売却価格を引いた額(部品代除く)が50万ほど。すなわち、8ヶ月50万円の値落ちってことですね。当然、業者の利益も乗ってくるので、「自分が売った価格より高い価格で販売される」ということになります。確かに、その後売却価格+80万くらいで売られていた。一般的にどう考えられているのかはわからないけれど、中古車業者さんの、広告費、整備費、人件費、保証、その他諸々を考えると、妥当だと思います(少なくとも、私としては、商売やるなら妥当と思える感覚だった)。希少なMTということもあり、そこそこメンテしていたので、どこかで元気に走ってくれれば良いな。次のオーナーさんにかわいがってもらえよ~

987ボクスターについて
987ボクスターってどんな車?
ポルシェの「エントリーモデル」という位置づけで、二人乗りのオープンカー。私が購入したのは、中期型の5MTモデル、2.7L左ハンドル仕様。
ボスクター | ボスクターS | |
前記 | 2.7L 240馬力 | 3.2L 280 馬力 |
中期 | 2.7L 245馬力 | 3.2L 295馬力 |
後期 | 2.9L 255馬力 | 3.4L 320馬力 |
やはりスポーツカーなので、馬力があるボクスターSのほうが価格が高いが、個人的には楽しく回せる2.7Lモデルを推し。6MTは「あればいいな」とは思ったけれど、基本は5MTで、トルクに乗って走るほうが、キャラクターにあっている感じがする。トルクフルなエンジンを、MTを楽しく操って走るのはなんとも言えない快感がある。
#ボア拡大した3.2Lで日本の渋滞道路を走行すると、BoreScoringにつながる6番シリンダーの冷却、どうなんでしょうね…
ATは、中期までがトルコンAT、後期からDCT。ATモデルを買う場合、自分だったらトルコンATかな(故障率低そうっていう主観だけ)。MTの利点はリアブレイク時やコーナリング時のアクセル踏込のダイレクト感があること。逆に言えば、ぶん回してサーキットを走行するのでなければATってのも有りかも。安いし。


外観
個人的にはこの外観好きだ。誰が見ても「ポルシェだね」というアイコニックなフロントまわりもカッコいいし、リア周辺の曲線は綺麗だと思う。
フラット6のサウンドが官能的
初めて6発フラットに乗ってみたが、4,000rpmからの音がとても官能的だった。低回転領域ではバラつくけど、回転を増すについれて、よく言われる「精密機械が回っている感覚」を味わうことができる。湧き出るトルクに乗って加速していく感じが「良い車に乗っているナ」と思わせる。操作感でいうと、電子制御の違和感あり。なんというか、ちょっとわざとらしい演出やサポートされる気がする。これは、単純に慣れの問題。乗っているうちに気にならなくなる。
ハンドリング
まず、左ハンドルの車を運転するのには慣れがいると思う。個人的には特に問題はなかったが、右ハンドルに慣れていて、右ハンドルの個体があればそれに越したことはないだろう。
フィーリングとしては、純正ステアリングセンターの据わりがとてもGood。高速走行時もビタっと安定するようなフィール。低扁平のタイヤを履いても、前輪タイヤのちょろちょろした動きはない。長距離高速走行向けにはちょうどよいのではないか。個人的には低速域で少しダルかなと感じ、クイックでインフォメーションある方が良かったので、ステアリングを小径化した。

秀逸なブレーキと足回り、ボディ剛性
ブレーキは非常に扱いやすく、好みであった。全体が沈み込むように、また、ストロークに合わせて効きが向上していく=コントロールしやすい。よく言われる「ポルシェのブレーキ」ってこういうことか~と感動したのを覚えている。純正でこれはすごいね。慣れていない人とかストロークで調整することに不慣れな人は効かないと感じるかもしれない。

シフトフィーリング
クラッチのフィーリングは、普通。このクラスにしては少し重いか?シフトフィーリングは、何というか「大味」。カチッ!っていうようなフィーリングは無い。まぁ、こんなもんでしょ。シフトノブの形が気になる。シフトレバー位置も低いしシフトポジション間の距離が長いため、シフトノブに色々な角度か触れることになるから、球形が望ましい。

完成度の高いクルマだが改善するとしたら
1)最大の不満は、LSDが無いこと。本格的にサーキット走るならLSDは入れたい。やはり気持ちよくコーナーを駆け抜けようと思った時に内輪のトラクションがかからないのは、旋回~立ち上がりでの気持ちよさをスポイルする一因となろう。しかし、公道を気持ちよく走るにはちょうどいい。そういう作りのクルマだった。
2)中古で買ったときについてきたタイヤ。溝はあるが、固くなっているので滑るし、フィーリングも悪かった。やはりタイヤはとても大事なパーツなので、真っ先に変えておくべきだった。
3)優先度は低いが、サスのセッティングが「しっとり」すぎるかな。日本の道路路面は、欧米諸国よりも恵まれていると思っています。なので、もちょっとバネもダンパーも固くても良いかもしれない。
普段使いについて
ファーストカーでこの車を買うという用途は、あまりないかもしれないが、、、、フロント・リアにあるトランクに荷物を積んで、小旅行であれば余裕で対応可能。そういう使い方をしたことがないので、良くわからない。
ボクスターの楽しみ方と周囲の反応

メンテナンス
基本はDIYメンテナンスしていたので、ディーラーとは縁遠かった。でも、困ったときには全国にあるポルシェセンターに持ち込めば対応してもらえる(ハズ)。私の個体はポルシェセンター(正規ディーラー)で購入したものではないが、いざというときのために近くのポルシェセンターに相談。特に何も言われることなく入庫してくれた。丁寧な対応をしてもらえると思う(車検に通る車両である前提ですが)。
故障の頻度について
故障については、インタミ問題、およびBoreScoring問題がよく取り上げられている。
インタミ問題 | Bore Scoring問題 | |
前記 | リスクあり(<8%程度?)。ポルシェディーラーなら載せ替え費用保証? | 6番リシンダのBore Scoring問題がつきまとう |
中期 | リスク小(1%程度)。エンジン逝ったら費用は200万円… | 同上 |
後期 | 対策済み | 不明、、だけど原理上ありそうな・・・ |
インタミ問題
2つのクランクシャフトをつなぐインターミディエイトシャフトのベアリングが破損することによって、エンジンが全壊する恐ろしい持病。ただし、中期では対策品が採用され、前期ではディーラー車であれば保証が効くという(未確認)。自分が購入した中期では、発生頻度が1%程度らしく、気にしないことにした。
Bore Scoring(シリンダー傷)問題
シリンダーに傷が付き、オイル消費が大きくなる問題。最後、燃焼室にオイルが許容量以上入り込み、エンストorブロー。こちらには結構神経質になった。YoutubeなどでBoreScoring問題を抱えているだろう個体から出ているような打音(カンカンカンっていう音)は発生すると怖いから、エンジン始動時に常に打音をチェックしていたが、結局、私の個体では発生しなかった(購入時も、エンジンかけさせてもらって、打音チェックだけはしてた(購入記はこちら))。
それでも心配になって購入後にファイバースコープで確認したが、冷却が不十分で鬼門とされる6番シリンダーに傷はなかった。

購入時に気をつけたい点としては、もし可能であればそういったチェックをしてくれればベストと思われるが、やっぱりポルシェセンターや専門店のチェック済みの車両が安心かな~とは思う。
ピストンとシリンダーのオイル交換の頻度を上げる事によって防げる問題と思われるので(シリンダーのコーティングの問題。オイルによるピストンの冷却が不十分だと発生するようだ)、マメにオイルを変え、適度に回して乗ってあげるのが一番の対策となりそう。
参考:https://www.callasrennsport.com/blog/porsche-engine-bore-scoring
故障について
故障した箇所としては、ウォーターポンプから冷却水漏れ。

それ以外は、ものすごく調子が良かった。基本、タフな車なんだと思う。購入する先の保証などがあったら入っておくなどの対応は必要かも(私は入らなかったけど)。中古車屋に売却するときも「基本壊れませんからね」と言われた。このあたりは、あまり神経質になるよりも、専門的な知識があるショップで予防整備を行っていくのが良いだろう。
価格(購入価格とリセールバリュ、維持費など)
趣味の車なので、価格にはあまりこだわってはいなかった(嫁様許可の予算内だったので)が、リセールバリュは、購入時の車両価格-50万円ほど(MT、人気の白という希少性もあるかもしれないし、時価なので変動)。これに、プラスアルファ維持費としてオイル代・故障した冷却水周り(トータルで20万円位かかったかも)と保険料(対人対物無制限、自損事故保証無し)。
これを高いと見るか、安いと見るかは、ボクスターに何を求めるかによるのでしょう。私の場合は、ちょっとコスパ悪かったかも(長く乗るつもりで維持費をかけたので、長期保有すれば価格的な下落は少なくなるはずだが、売ってしまったので)。その後、すぐ売れてしまったようだ(めぐり合わせとは不思議なもので、もともと私が乗っていたボクスターに再会することになるのだが、それは別のお話)。

987は値上がり傾向のようだ。特にMT車両は私が買ったときより50万円程値上がっている。相場は日々変動するのでなんとも言えないが、電動化が叫ばれる昨今。6発フラット、しかもMTなんて今後、各自動車メーカーが出してくれるとは考えにくい。今後、この手の車には乗れなくなっていくため、じわりじわりと価格が上がっていくのではないかと考えている。
人気の車種なので、購入を考えているのならば、まずはLIBERALA(外車中古車店)(←ガリバーの外車取り扱い店。アフィリエイトリンクですが、私が売った先はここなので、ご興味があれば是非)などで依頼して、大体の相場を把握しておき、出物があるまで気長に待つというのも良いと思う。自分が興味を持っていて、購入を検討していることを伝えて、広告に載る前の車両を探してもらうことで、好みの個体に出会える確率はぐんと上がる。
まとめ
こんな車に乗れるのは、あと10年位だと思う。大排気量のスポーツモデル、しかもMTなんて。だから、一度は乗っておきたかった。多少の故障は直し、大事に乗っていくってのも手かと。今は手放してしまったけれど、良いクルマだったと思います。購入を検討されている方に、良いめぐり合わせがあれば嬉しいです。
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