【DIY基礎】スパークプラグの選び方とイリジウムプラグについて

スパークプラグは大体1万km~2万kmに一回交換するモノだと思っていたが、ここ10年の技術進化により交換サイクルが長期化している。中には10万km無交換OKというような長寿命なプラグも存在している。そこで、DIYでスパークプラグ交換を検討されている方のプラグ選びの参考になればと思い、プラグの選び方について記事にしました。

目次

スパークプラグの役割

基本的に、エンジンのシリンダーヘッドカバーに取り付けられたイグニッションコイルを取り外すと、シリンダーヘッドにネジで取り付けられているスパークプラグを見ることができる。気筒の数だけプラグが必要となる。3気筒の軽自動車であれば3本のプラグを使用(あくまで基本的に)。

取り出すと、このような形をしている。

写真下側がシリンダー内部、写真上側がシリンダー外部(ヘッド外側)。ヘッド外側に突き出したターミナルにイグニッションコイルから20,000V(!!)以上の電圧をかけ、外側電極と中心電極の間に火花放電による火花(スパーク)を発生させる。この火花に混合気(ガソリンと空気)をいい感じで混ぜてやると、爆発する。この爆発によってピストンが押され、クランクを回している。

爆発や高温に曝されることになるし、万が一この電極が破損してエンジン内部に落ちようものならブローするだろうし、とても高い信頼性が求められるパーツの一つである。

プラグの選び方

プラグには、NGK、BOSCH、DENSOなどが作っているが、私は交換する際にはNGKしか選ばない。他のメーカーもきちんと品質管理と開発を行っていることは間違いないと思うが、ことさら信頼性が求められる部品なので、レースでも、街乗りでもNGKを選ぶ(一度もトラブルがないという過去の実績から。他のメーカーが劣っているというわけではないと思います念の為)。

NGKのプラグラインナップから、純正同等のプラグを選べばOK。NGK公式サイトから、適用を調べることができる →NGK公式

例えば、アルトワークスであれば、

こんな感じでプラグの適用が出てくる。ここから、好みのプラグを選んでいけば良い。

イリジウムプラグ

イリジウムプラグ、という名前が一般的になってきた。多くの純正プラグもこのイリジウムプラグを用いることが多いようだ。ただ、気をつけなければならないのが、「イリジウムプラグは全て長寿命」ではないと言うこと。

イリジウムプラグにも様々な種類があり、先程の写真で、中心電極と外側電極の両方に白金やイリジウム合金を使っている両貴金属プラグと、中心電極のみに使っている片貴金属プラグものがある。

両貴金属プラグであれば、10万km(軽自動車6万km)とあるが、イリジウムプラグでも片貴金属プラグでは、寿命は2万km(軽自動車1万km)とされている。NGKの公式から検索した結果、アルトワークスであれば、プレミアムRXプラグ、イリジウムMAXプラグが選べるが、これらはどちらも両貴金属のもの=10万km対応。一方、イリジウムIXプラグは片貴金属となっている。両端が貴金属のものは、放電によるプラグの「削れ」がなく、長持ちする。昔のプラグは電極がどんどん削れていくのがわかったが、最近のイリジウム電極は削れが目視ではよくわからない(最近は老眼のせい?)ので、私は距離で管理している。せっかくイリジウムプラグを選ぶのであれば、耐久性の高い両貴金属プラグであるプレミアムRXプラグ、イリジウムMAXプラグを選んでおくのがおすすめ。

両貴金属か、片貴金属かを品番で見分ける(NGK公式)

熱価

熱価(ねっか)というのがプラグごとに決まっている。熱価とは、プラグの「耐熱性」(どれくらい熱を放熱できるか)を示しており、高ければ高いほど熱に強い構造となっている。純正より熱価が低いものを選ぶと、プラグに熱が入った際に最悪プラグが破損してしまうし、高い物を選ぶと、プラグが冷えすぎて着火できない(かぶる、とか湿る、みたいな表現をすることが多い)。

マフラーを変えた程度であれば純正と同様の値で問題ないが、チューニングを進めていくと熱価を「上げる」必要が出てくる。というのも、熱価が低いものだと、爆発するタイミング以外にも点火してしまい、最悪ブローとなってしまうから。

2stナンバー無し(公道走らない)バイクでレースをしていたときは熱価を一つ上げていた。

日常使用・街乗り中心の乗り方であれば、純正と同様の熱価が一番だと思う。しかし、高回転を多用するような乗り方の場合、熱価を一つ上げることで安全マージンを増やすことができる。

プラグの脱着

そんな重要なプラグなので、取り付け、取り外しにも細心の注意を。プラグを取り外す前に、プラグホール周辺をブロアーをかけてホコリを飛ばしておくと良い。また、プラグを外したらゴミの侵入に注意しながら、まっすぐに取り付ける。マニュアル通りのトルクで締め込む。

プラグ取り外しや取り付けには、プラグレンチというプラグ締め込み用のツールが必要になる。一般的には16mmが使われているが、適合するプラグに合わせて購入が必要。

フリード、HA36、987ボクスターは16mm。

S660用は14mm。こちら↓

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私はKTCのものを愛用。エクステンションバーや、ラチェットハンドルに取り付けて使用する。プラグは奥まった場所にある。プラグレンチには内部に磁石がついていて、緩めたプラグを磁石でくっつけて引き出す事ができる。交換自体はそれほど難しい作業ではないが、慎重に行う。

下の記事で紹介しているハンドルツール類を組み合わせると工具の自由度が上がるのでオススメ。

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