納車から約2ヶ月。S660購入に至った経緯(なぜS660を購入したのか)と、乗ってみての満足している点と不満な点、さらには、これからどのようにこのクルマと付き合っていくのかまとめた。
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S660に求めたもの
S660に求めたものは「ガンガン回せて、自分でメンテできること」。期待することとして、「車との一体感」。趣味の車だから、楽しい車が欲しい!のである。Hondaのエンジニアも、以下のように語っている。
「とにかく面白いクルマをつくりたい。軽でつくるんだから、曲がって楽しいクルマを目指しました。曲がるときの気持ちよさをどうつくるかを考えながら、パッケージングを決め、タイヤの性能が発揮できるサスペンションを決めました」(中略)「目標は、日本で運転して一番楽しいクルマです。コーナーでスッとノーズが入り、ピタッと路面に吸い付くようにロールし、グッと踏ん張り、ガツンとコーナーの出口から立ち上がる、“スッ、ピタッ、グッ、ガツン”。でも、これがサーキットをかっ飛ばしたときにしか発揮できないのでは意味がない。通勤途中の一般道で毎日感じられるようなクルマにしたかった。もちろん、サーキットでもこんな感じは出ます。それが、懐深さというところです。『S2000に勝つ』という高い志で挑みました」
https://www.honda.co.jp/tech-story/engineer/engineer-talk/s660/
S2000にも、限定的な状況なら十分、戦えるでしょ!こんな車を作ってくれてありがとう。
「軽自動車の維持費で気軽に走れる。でも、本気出すと結構速いので、そっちの方向で楽しむのもアリですよ。軽自動車にしてはちょっとお高いけど、軽自動車だからこそ楽しめるものがあるんだよ」ということをHondaが体現すると、こうなるのかな。まあ、万人受けしないことは確かだし、ポルシェボクスターから乗り換えるヤツがいるなんてあまり想像していなかったかもしれませんが。いや、意外といそう??(笑)。「俺も!」「私も!」って人がいらっしゃったらコメント下さいませ。
S660のオーナーの方々には、ドレスアップして楽しんだり、ドライブして楽しんだり、弄って速さを楽しむ方が多い。Hondaが(おそらく)表現したかったことは、車って、移動の手段の他にも色々な楽しみ方があるよ!ってことじゃないかと思う。
納車前に、販売終了のお知らせ
S660が納車されたのが、4月末。注文したのが2020年の年末だったので、約5ヶ月待ちの納車となった。納車を待っている間の2021年3月12日、Hondaより生産終了がアナウンスされ、2020年3月30日に生産予定台数到達=新規購入受付の中止となった。
図らずとも受付終了の3ヶ月前での注文となったが、買おうかどうかを迷って待っていたら、購入できずにいただろう。2021/07/04現在、S660やポルシェ987の価格が上昇しているようだ。ガソリンで走るスポーツカーの価格は上昇傾向にあるのかもしれないが、クルマは「価値があるから買う」のではなく、「欲しいから買う」のである。リセールバリューを考慮して買うなどの賢い買い方ができるような方がいるが、ホントすごいなと思う。いわゆる「お得に乗れる」って人ですね。残念ながら私は、一台の車に惚れ込んだら乗り潰すタイプで、うまく「売り抜ける」ような器用な人間ではないのだ。
購入を検討されているのなら
世界の電動化の流れや、安全基準から、こういった車は乗れなくなることだろう。そういうことも踏まえてS660の購入を検討されているのであれば、中古車での購入しかない。それが新車であっても、中古車であっても、欲しいと思ったタイミングが「買い時」だと思う。
乗ってみてわかったこと
外観
ホワイトやイエローが人気色だという。中古車もそういった色が目立つ。私が購入したアラバスターシルバー・メタリックの塗装は数が出た塗装色では無いようだが、モノトーンで渋い(そもそも、チューニングベースグレードとも言えるβは、白、黒、銀しか選べなかった)ので気に入っている。全高も低いし、どっしりしている。今後走りに振っていくなかで、車高がある程度決まったらサイドステップやフロントリップなどを装着したいと思う。コンパクトで愛嬌がある形となっていて好ましい。
使い勝手
普段遣いしていないのでなんとも言えないが、荷物は全く載らない。絶望的に載らない。家族持ちの場合、ファーストカーとするには限界がある。車が一人一台必要な地域に住んでいるので、メインの車両はフリード、妻はアルトワークスを使っている。スポーツできるマルチパーパス車両という目的で所有するのであれば、アルトワークスの方が使い勝手も良い。S660は、ポルシェよりも「乗り手を選ぶ」クルマであるんで覚悟は必要かもしれない。
メンテナスのしやすさ
整備性の良さといっても、比べる対象が987ボクスターなので良いのは当然なのだが、S660はレバーを引くだけでリアフードが開いてエンジンが見えた。感動した。
ジャッキアップもとても簡単。さっと弄れるというのは、DIYでメンテナンスする人には嬉しい限りである。だから「自分でいじろう」という気になる。
維持費
燃費は軽自動車なので、流れに乗って走っていれば20km/l程度。レギュラー仕様である。自動車税は軽自動車なので安い(令和3年度10,800円)。各純正パーツやオイル類、ブレーキパッドなどの消耗品も、軽自動車のものなの比較的安く「試してみよう」ができる。最近は消耗品のロングライフ化しているのでさらに経済的。私のような家族持ちのサラリーマンが家族を説得する武器としては、維持費用はとても大きい。あとは、自分がどれだけクルマに対するアツい想いを語れるかだと思います。
運動性能
S660のエンジンは、軽自動車の自主規制枠64馬力である。850kgの車体を加速させるには十分!…というわけではなく、やはり物足りない。以下の記事にあるサーキット走行動画では、加速したいところで加速できていない。サーキットを攻めたいと考えると、ここは是非ともパワーアップしたい。一方、公道を普通に走る分には十分である。
ブレーキ関連も必要にして十分なストッピングパワーを持つ(純正だから当たり前か)。
真骨頂はコーナリング
やはりというか、Hondaのエンジニア氏が言ったとおり、気持ちよくコーナリングする。いや、気持ちいい以上に、速い。タイヤ限界付近でコーナリングすると「軽にしては」とか「非力な車にしては」みたいなエクスキューズはなく、ノーマルなのにコーナー激速なのである。もちろんサーキットのレイアウトによると思うが、全国のミニサーキット、ショートサーキットであれば、上のクラスをカモれる。
タイヤへかかる荷重が小さことと、絶妙な純正のサスセッティングにより、サーキットでのコーナリング中の多くの荷重が片側の車輪に乗るシーンでもコーナリングフォースがサチりにくく、タイヤの美味しいところを美味しく使えるってこと。ずっと美味しい。ちょっと高めの縁石に対しても、設計の良さが光る。ギャップをうまくいなす。
フィーリング
一言でいうと、各所に「気持ちよさ」を追求した工夫が見られる。リアのウィンドウが開くようになっていて、エンジン音を楽しみながらサーキットを走ると、テンションが上がる。
シフトフィールは、「追い込みすぎ」感があるくらいカチッと決まる。S2000が出た当初、そのシフトフィールに感動したがS660もそれに負けていない。今まで乗った車の中では最高の部類。ブレーキフィールはポルシェほどの感動はないにせよ、ちゃんとリニアリティをもたせていて嬉しい(Honda車のブレーキの印象が初期タッチがやたら効き、コントロールしづらいものだと思っていたが、S660はそんなことはなく、Goodです)。
ステアリングの操作感も素晴らしい。ちょっと昔のコンパクト系Honda車に見られた、ちょろちょろした動きがない。でも、軽自動車のクイックさはちゃんと表現されている。スポーツカーとして十分通用する「据わり」とリニアリティがある。
今後の方向性
しばらく走って相性が良さそうということがわかった。これから楽しんでいこうと思う。一度ハマると長く乗るタイプ(乗り潰すので、市場価値が残らないのが残念なところだが)なので、試行錯誤しながらじっくりやっていこう。今日までの改造遍歴は、以下記事で記載している。
ドラポジはOK。ということで、次はサーキットを走って壊さないための、エンジンのコンディションの把握である。その次に、サーキットを楽しく走れるためのパワーアップを考えていくことにする。
サーキット走行の記事はこちら
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