オイルクーラーを追加した場合のオイル交換では、必要なオイル量が変わる事がある。オイルクーラーの特性によって変化するので製品の取り扱い説明書の確認が必要。私は44Gのクラーケンを使っている。この記事では、オイルクーラーを取り付けたS660のオイル交換の際に気をつけている項目を記載する。
通常のS660オイル交換はこちらの記事を参照↓
S660は軽自動車なので普通車に比べてオイル量が少ない。結果、負荷をかける走行をするとすぐに油温が上昇してしまう。そこで、高負荷な走行時の油温上昇を抑えるために、オイルクーラー(空冷式)を導入している。私が使用しているオイルクーラーは、オイルホースとオイルクーラー本体で約1L程のオイルが追加できるため、私のS660にはノーマルのオイル容量+1Lのオイルが入っている。
ノーマルのS660の場合、オイル交換量は2.4L、オイルフィルター同時交換の場合は2.6L。上記記事で紹介しているオイルクーラーは空冷式だが、水冷式を含む他のオイルクーラーを使用している場合でもオイルクーラーに入る分のオイル量を追加してやる必要がある。各オイルクーラーの取り扱い説明書などには、追加で必要なオイル容量が書かれているはずだ。
エンジンオイルフィルターとオイルパン周辺のオイル循環
通常のエンジンオイル循環は、簡単に記載すると以下のようになっている。エンジンから戻ってきたオイルをオイルフィルターで濾過した後、オイルポンプでエンジン各部へ供給している(S660は全流ろ過式、潤滑方式は圧送式)。
サーモスタット付きオイルクーラーの場合
私のS660に搭載されている44G製のオイルクーラー、クラーケン。サーモスタット付きなので、オイルが高温になったときにオイルクーラー内にオイルを循環させて冷却する仕組み。エンジンオイルが冷えているときにはサーモスタットが閉じているのでオイルクーラーのオイルは循環しない(下図左)。エンジンオイルがあたたまると、オイルクーラー内部のオイルを含めたオイル循環が行われる。
エンジンが温かいときにオイルを抜くと、オイルクーラー内部のオイルも抜ける
走行後、すぐにエンジンオイル交換を行うと、サーモスタットが開いているため、オイルクーラーのオイルも同時に抜ける。S660の通常のオイル交換のオイル量は2.4L(フィルター交換時2.6L)だが、さらに1L余分にオイルが抜けることになる。
すべてのオイルをリフレッシュすれば気持ちがいいものの、オイルクーラー内部のオイルも全て抜いてしまうと、今度はオイルを入れるときに困ってしまう。オイルを入れるときはサーモスタット周辺の温度が下がり、閉じているはず。ここに、オイルクーラー分のオイル1Lを追加で給油することになる。
サーモスタットが再び開くまでは、オイルが1L余分にオイルパンに溜まることになる。オイルが暖まれば正常に循環するだろうが、しばらくオイルクーラー内部にエアが噛むことにもなるし、通常より1L余分にオイルを入れた状態で走行するのは精神衛生上よろしくない(おそらく大事には至らないとは思うが)。
全量交換をせず、オイルが冷めてからオイル交換を行う
オイルクーラーにエアを噛むのも怖いので、私はオイルが十分に冷えてからオイル交換を行うようにしている。オイルクーラー内部の1Lは古いオイルのままだが、フィルターを通してきれいになるし、新しいオイルと混ざることになるので、同じ銘柄のオイルを早めの頻度で交換すれば問題は発生しないだろう。
基本は「抜いた量だけ新しく入れる」
サービスマニュアルに記載のオイル量は当然「純正」の値である。エンジンオイルの交換の際には、こういった外部パーツの搭載などにより、想定している量より多くオイルが排出されることがある。なので、基本方針は「抜いた量だけ新しく入れる」のが良いだろう。
サーキット走行後に、オイルクーラーを装着して初めてのオイル交換&フィルター交換だったので、冷間時にどれくらいオイルが抜けるのかを試してみた。
耐熱の計量カップと、廃油を受けるオイルパンは必須。そのままポイパックで受けてしまうと計量できないからだ。
計ってみた結果、2.4L+オイルフィルターに溜まっている分200mlがきれいに抜けた。冷間時だとサーモスタットがきちんと閉じていることが確認できた。ということは、オイルクーラー分のオイルは抜けておらず、通常のオイル交換+オイルフィルター交換と同様、2.6Lを入れてやれば良いことになる。
ちなみに、オイルジョッキにラインをシールで貼っておくと便利。
後は通常のオイル交換と同様。オイル量を確認して完了。
通常のオイル交換の手順はこちらを参照
まとめ
私が使用しているオイルクーラーはノーマルのオイル容量+1Lのオイルが入る仕様となっている。ノーマルのS660の場合、オイル交換量は2.4L、オイルフィルター同時交換の場合は2.6L。各オイルクーラーの取り扱い説明書などには、追加で必要なオイル容量が書かれているはずだ。
私はオイルが十分に冷えてからオイル交換を行うようにしている。オイルクーラー内部の1Lは古いオイルのままだが、フィルターを通してきれいになるし、新しいオイルと混ざることになるので、同じ銘柄のオイルを早めの頻度で交換すれば問題は発生しないだろう。
オイル交換の基本は「抜いた量だけ新しく入れる」。もちろん作業後、オイル量を確認すること。
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